菖蒲城(しょうぶじょう)

菖蒲城の基本情報

通称・別名

所在地

埼玉県久喜市菖蒲町新堀菖蒲975他

旧国名

武蔵国

分類・構造

平城

天守構造

築城主

金田則綱

築城年

康正2年(1456)

主な改修者

主な城主

金田氏

廃城年

天正18年(1590)

遺構

消滅

指定文化財

再建造物

石碑

周辺の城

種垂城(埼玉県加須市)[3.9km]
加納城(埼玉県桶川市)[4.5km]
騎西城(埼玉県加須市)[5.0km]
井沼館(埼玉県蓮田市)[5.1km]
花崎城(埼玉県加須市)[6.3km]
足利政氏館(埼玉県久喜市)[6.8km]
久喜陣屋(埼玉県久喜市)[7.1km]
源経基館(埼玉県鴻巣市)[8.5km]
石戸城(埼玉県北本市)[9.9km]
伊奈城(埼玉県北足立郡)[10.1km]

菖蒲城の解説文



菖蒲城(しょうぶじょう)は、埼玉県久喜市菖蒲町新堀(武蔵国埼玉郡新堀村)にあった日本の城。古河公方足利成氏が、康正2年(1456年)に金田式部則綱に命じて築城させた。城の竣工が5月5日の菖蒲の節句にであったために命名された。天正18年(1590年)小田原征伐ののち廃城となり、以降は徳川家康に仕えた内藤正成が栢間陣屋(現在の久喜市菖蒲町下栢間)を構えて5700石を知行し、上級旗本として14代、幕末まで同地を治めた。

歴史・沿革 

享徳4年(1455年)6月、足利成氏が室町幕府および管領上杉氏との抗争の過程で、鎌倉より古河へと転戦する際に「武州少府」に一時逗留した旨の記述があり、この「少府」を「菖蒲」の地に比定する説も有力。城主の金田氏は菖蒲佐々木氏ともいわれ、近江国佐々木氏の末裔されるが詳細は不明。初代の金田則綱は古河公方足利成氏の家臣となり、氏綱、顕綱、定綱、頼綱と続き、6代秀綱の時に忍城主成田氏長に属し、豊臣秀吉の関東侵攻により廃城。その後子孫は帰農し大塚姓を称した。金田氏の墓所は曹洞宗久林山永昌寺にある。

考古資料 

遺構

菖蒲園の入り口には旗本内藤家栢間陣屋裏門が1998年に移築されている。明治政府により陣屋は破却されたが、裏門は領内の名主だった三須家に引き取られていた。

現在は遺構は残っていないが、1996年にバス停建設による埼玉県道12号川越栗橋線の拡幅工事前の発掘調査が実施され、平安時代の竪穴建物跡や中世の堀と土塁状の遺構が出土。

遺物

上記発掘調査により、14世紀の常滑産の甕や板碑(延文6年・1361年銘を含む)、16世紀の石臼や石硯、鉄砲の弾丸、大量の土器、陶磁器、永楽通宝などの古銭が出土した。

観光 

アクセス

  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)高崎線「桶川駅」東口から朝日バス菖蒲車庫行きに乗車、「新堀」下車
  • 東北自動車道久喜ICから車で約15分

周辺

  • 城址には菖蒲園があり、35,000株の菖蒲が植えられている。

文献 

  • 埼玉県埋蔵文化財調査事業団報告書 第232集 南埼玉郡 菖蒲町 『菖蒲城』 主要地方道川越栗橋線関係埋蔵文化財発掘調査報告 1999年

菖蒲城の口コミ情報

2024年06月28日 マグロ常陸介祐平
菖蒲城



遺構は見られませんが、旗本内藤氏の陣屋裏門が移設されており、お城らしさは感じられます。発掘調査では土塁の他、陶器類や弾丸などが出てきたようです。

城主の金田氏は近江佐々木氏の一族で古河公方に仕え、後に成田氏に従ったようです。登録城の井沼館の佐藤氏や潤戸堀之内の黒須氏などの被官を持ち、遠く離れた児玉郡の御嶽城主長井氏と姻戚にあるなど勢力を誇った金田氏ですが、風土記稿の編者の指摘では、成田氏分限帳に金田秀綱の記載は無く、記載されている金田備前と金田斎宮は城に詰めたのだろうかと記しています。確かに備前は20貫、斎宮は13貫500文と持高は少なく、お隣の小林氏の110貫よりも小身で、城を持ち被官を従える感じではありません。(まさかの分限帳記載漏れ?)

子孫は、大塚を氏として帰農し、菩提寺である永昌寺(写真6,7,8枚目)にお墓があります。お寺には「菖蒲城主佐々木六角大塚家菩提寺」の大きな看板が門に付けられ、大塚家の墓地には「佐々木六角氏後胤大塚家之墓」と刻まれた石碑が立ちます。

異説として、柴山村(現白岡市)の佐々木氏に伝わる系図には、小田原征伐後に佐々木氏(金田氏)は柴山村に移住、子孫は安藤重信に300石の家老として仕える者、栗橋関所番士となる者が出たとあるようです。磐城平藩の上級武士に佐々木や金田を名乗る者は見当たらないため、微妙な感じですが、由緒書でも残っていれば、菖蒲城の歴史がよりわかるかもしれません。
(埼玉苗字事典を参考にしています)

2024年01月14日 マグロ常陸介祐平
妙福寺[菖蒲城  寺社・史跡]



菖蒲城から南西に1km程離れた旧小林村(おばやしむら)に妙福寺があります。風土記稿に小田原北条家分国の頃は小林周防守が領し、この地に居住して在名を称したとあり、妙福寺の過去帳に小林周防守と小林図書が載っているとしています。また、成田家分限帳に小林監物(百貫文)・小林図書(十貫文)と載っているのは周防守の一族で当所に住んでいたとあります。
ネットで調べてみると、妙福寺周辺に居館があったと推測しているものが散見されます。

妙福寺から南東に7km程離れた旧貝塚村(蓮田市貝塚)には、蓮田市の文化財に指定されている宝篋印塔(写真3枚目)があり、小林周防守・図書頭の墓と伝えられています。周辺には小林姓が多く今も新しい塔婆が立っています。
風土記稿の貝塚村の項に、小林氏に関する記載はありません。
不思議な感じです。

小林氏の由来や系図についてレファレンス協同データベースで質問された方がいますが、資料は見つからなかったようです。

小林村の江戸時代の名主は柴崎氏で、こちらも成田家の旧臣(三十貫文)の家系のようです。

※ローカルな口コミですいません。

2023年06月08日 弾正少弼のむげん
菖蒲城

県道沿いにある史跡。城址碑と移築された門が有りますが、めぼしい遺構は見当たりませんでした。県道の反対側に(バス停のさらに奥)に10台程度の無料駐車場が有ります。

2023年05月21日 三男坊.k大学頭
菖蒲城



城址碑周りのアヤメ園の整備が始まってました。見頃は来月中旬頃でしょうか。

2023年01月06日 Hoshi
菖蒲城

田んぼの中にぽつんと門が建っています。奥に石碑があります。花菖蒲が咲く季節に行くと綺麗かなと思いました。

2022年12月20日 RED副将軍
菖蒲城



古河公方が築かせた上杉氏の押さえの拠点🏯
5月5日の菖蒲の節句に築城された事が城名の由来✨

オススメ度 ★★⭐︎⭐︎⭐︎

1456年に金田則綱により築城。
金田則綱は、古河公方足利成氏の家臣で、対立をしていた関東管領の上杉氏との前線基地として機能しました。
金田氏は、その後も忍城主の成田氏長に属し、氏綱・顕綱・定綱・頼綱・秀綱と6代続きました。
1574年の北条氏政と上杉謙信との戦いの際には上杉勢の侵攻により焼討ちに遭ったとされます。
1590年、豊臣秀吉による小田原征伐の際に成田氏は北条氏に付きます。しかし北条氏が滅亡すると廃城となり、金田氏は帰農した様です。

見所
現在は、あやめ園と農地となり城郭遺構は見当たりません。元々が沼沢地に浮かぶ単郭の城だったのかもしれません。
栢間陣屋城門が移築され、城址碑が立っています。
菖蒲の季節であれば美しい城跡なのでしょう。

2022年10月18日 ビン太
菖蒲城



開けた県道沿いにあるのでリア攻めに迷う事はないでしょう。
ただ車両で訪れた際に駐車スペースが心許ないかな?と、思います。(車道は縁石が立っているので県道の路駐は完全に車道を防ぎます。)
写真の門前のスペースが駐車にベターです。
敷地内は季節外れな為ちょっと寒々しい光景でした(笑)が季節が合えば名前のとおり菖蒲が育ってたりするのかなぁ。

2022年05月30日 里のシロクマ監物
菖蒲城



駐車場は道路の反対側にありました。今回は休耕中で花はチラホラ、門が一つと案内板がありました。城址はありません。

2017年05月10日 
菖蒲城

道を隔てた所に、駐車場があります。
城の竣工が、5月5日の菖蒲の季節だったので、
菖蒲城と命名されたそうです。
菖蒲の季節、そうでない季節、
両方行きましたが、やはり、菖蒲の季節が良いですね。
見所は、徳川譜代の内藤氏陣屋(栢間陣屋)の門と伝えられる移築陣屋門があります。
あとは、碑があるくらいなので、
お城跡というより、菖蒲を見にくる人が多い気がしました。
菖蒲は、とても綺麗でした。


2015年07月02日 デスラー
菖蒲城

さすがに7月に入ると花しょうぶは終わりですが、近所の旧菖蒲町役場周辺ではラベンダーが見頃を迎えていました。駐車場は菖蒲城趾にも旧菖蒲町役場にもありました。

2014年06月11日 tolto
菖蒲城

今ぐらいの時期になると花菖蒲が咲いて観光に最適です。また、すぐ近くにある旧菖蒲町役場付近ではラベンダー祭りが開催されているので、そちらもお勧めです。

菖蒲城の周辺スポット情報

 内藤家屋敷門(移築)(遺構・復元物)

 菖蒲城跡の碑(碑・説明板)

 旗本内藤家屋敷門(碑・説明板)

 妙福寺(寺社・史跡)

 駐車場(駐車場)

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