田波目城(たわめじょう)

田波目城の基本情報

通称・別名

多和目城

所在地

埼玉県坂戸市多和目

旧国名

武蔵国

分類・構造

山城

天守構造

築城主

宿谷重近

築城年

室町時代

主な改修者

主な城主

宿谷氏

廃城年

遺構

曲輪、腰曲輪、土塁、横堀(空堀)、柱穴

指定文化財

県選定重要遺跡(田波目城跡)

再建造物

説明板

周辺の城

毛呂氏館(埼玉県入間郡)[2.6km]
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田波目城の解説文

中世には日本各地に無数の城館が築かれた。織田信長の安土城(滋賀県安土町)のような著名な城館から、現在では地元でも忘れられてしまったような小さな城館に至るまですべての数を把握することは困難である。

そしてその多くは石垣を築き、掘りに水を湛えて、白壁をめぐらし、白亜の天守が聳えるといったものではなく、土を掘り返して堀と成し、斜面を削って壁として、素朴な建物をめぐらした程度の城館であった。

しかし、このような城館が中世において大きな役割を果たしたのである。

市内にもいくつかの中世城館が残り、その存在の伝承を伝えているが、なかでも多和目城は比較的良く中世の面影を伝えた城館である

坂戸市の西の端、大字多和目の標高113.4メートルの城山に多和目城は築かれている。城山の南側には高麗川が東に流れ、厳しい崖となっている。

北東方向に傾斜が緩やかに続くほか、南西・東・北東方面に尾根が延びている。地形の状況からは高麗川の北側の勢力が、南からの侵入に備えて確保する山といえる。

この状況を裏付けるように、中心部以外に遺構は見られず、尾根に沿って敵が侵入することを防ぐために普請する堀(堀切という)も確認できない。

遺構は山頂の平場に築かれている。南側の崖で守られた一角を除き、土塁と空堀が周囲を囲む。東西110メートル、南北45メートルの基本的に長方形を成す1つの空間からなっている。

東側には土塁の線が折れ曲がっている場所があり、横矢という技法の構造が見られる。横矢とは攻め込む敵に対して、側面から射掛けることのできるように工夫した構造のことで、戦国時代に頻繁に活用されることになる。したがってこの多和目城も戦国時代の城館であることがまず推測される。

周囲を囲む土塁は外側の高さが3メートルの高さをもつが、内側はさほど高いものではない。また土塁の外側を巡る空堀も埋まっていて正確な数字はわからないが、規模の大きな堀ではない。

堀や土塁で囲まれた内部は緩やかな傾斜をもっており、郭が整地された様相は表面観察からは確認できず、比較的自然地形が保たれているようにうかがえた。

1972年に城址の北西部において800平方メートルにわたって発掘調査が実施された。土塁の内側に柱穴を確認したほか、縄文時代の居住址を検出している。しかし、中世の遺物は発見されなかった。したがって考古学的には多和目城の活躍した時代は確認されていない。

このような多和目城であるが、城主など歴史的な背景も不明である。

江戸時代の地誌である『新編武蔵風土記稿』にも「城跡とのみ伝えて何人の居城なりしをしらず」と記しており、土地の記憶からすでに忘却されていることを書き留めている。ただ江戸時代の記録で「天正年中以来田地并ニ先祖系図書」(市史I 1923)には、年代不詳としながらも、「田波目大かけ城」の高麗新節次の合戦を記録している。伝承の書留であり必ずしも正確であるとは言えないが、地理的な条件が一致する実に興味深い資料である。

このように多和目城は遺構として残りながらも、不明な点がまだ多い城館である。遺構の状況からすると、あるいは高麗川の北側の勢力が合戦に際して、陣所(=陣城)として築いた城館かもしれない。しかし詳細な解明は後代に委ねられている。

情報提供:坂戸市社会教育課文化財保護担当

田波目城の口コミ情報

ハチミツ式部卿様[2017年05月09日]
高麗川に面した、標高113.3mの山城です。
西坂戸運動公園の駐車場が利用できます。
郭の一部が残存しているそうですが、
わかりにくかったです。
頂上にも、立て札のようなものしかなく、
途中に水道局関連の場所と、
送電線みたいなものがあっただけでした。

ぎっちゃん様[2011年08月02日]
土塁と堀が残っているとの事ですが、結構ヤブヤブでよくわかりませんでした…(^_^;)

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