浜御殿(はまごてん)
浜御殿の基本情報
通称・別名
- 甲府屋敷、海手屋敷
所在地
- 東京都中央区浜離宮庭園1
旧国名
- 武蔵国
分類・構造
- 御殿
天守構造
- なし
築城主
- 徳川綱重
築城年
- 承応3年(1654)
主な改修者
- 徳川幕府
主な城主
- 甲府徳川家、徳川幕府
廃城年
- -
遺構
- 石垣、櫓台
指定文化財
- 国史跡(旧浜離宮庭園)
再建造物
- -
周辺の城
-
汐留屋敷(東京都港区)[0.7km]
南町奉行所(東京都千代田区)[1.7km]
西久保城(東京都港区)[1.7km]
日比谷見附(東京都千代田区)[1.8km]
虎ノ門見附(東京都千代田区)[1.8km]
太田道灌城(東京都港区)[1.9km]
佃島砲台(東京都中央区)[1.9km]
北町奉行所(東京都千代田区)[2.6km]
越中島砲台(東京都江東区)[2.7km]
今井城(東京都港区)[2.9km]
浜御殿の解説文
[引用元:Wikipedia「浜御殿」の項目]
浜離宮恩賜庭園(はまりきゅう おんし ていえん)は、東京都中央区浜離宮庭園にある都立庭園である。旧浜離宮庭園として特別史跡・特別名勝に指定されている。
概要
東京湾から海水を取り入れ、潮の干満で景色の変化を楽しむ、潮入りの回遊式築山泉水庭[1]。
園内には鴨場、潮入の池、茶屋、お花畑やボタン園などがある。2000年代前半に西側の旧汐留貨物ターミナルが再開発されて汐留高層ビル群が林立し、庭園とコントラストを成している。
江戸時代に甲府藩下屋敷の庭園として造成され、徳川将軍家の別邸浜御殿や、宮内省管理の離宮を経て、東京都に下賜され都立公園として開放された。近年、かつて園内にあった複数の建築物の再建が進められており、4棟のお茶屋などが復元されている。
歴史
寛永年間(1624年-1644年)までは、葦などが茂った湿原で、将軍家の鷹場であった。1654年(承応3年)に甲府藩主の徳川綱重がこの地を拝領し、海を埋め立てて別邸を建てた。その後は甲府藩の下屋敷として使用された。このため甲府浜屋敷、海手屋敷と呼ばれるようになった。綱重の子である徳川綱豊が6代将軍(家宣)になったため甲府徳川家は絶家となり[2]、将軍家の別邸とされて浜御殿と改称した。
浜御殿では、江戸時代を通じて改修が続けられた。8代将軍吉宗は、殖産の試験場と位置づけ、薬園、製糖所、鍛冶小屋、火術所、大砲場等を設置。200種を超える薬草の栽培や、琉球から取り寄せたサトウキビの栽培・砂糖の試作、オランダから輸入した洋種馬の飼育等が行われた。1729年(享保14年)5月には、雄の象(広南従四位白象)がベトナムから運ばれ、浜御殿の小屋で12年を過ごしている[3]。その後、11代将軍家斉の時代に現在の庭園が概ね整い、将軍の鷹狩の場として利用されることが多くなった[4][5]。
明治維新後の1870年(明治3年)、浜御殿は宮内省の管轄となり、名前も離宮と改められた。明治天皇も度々訪れるようになる。
また、幕末の1866年(慶応2年)には、浜御殿内に幕府海軍の海軍所施設として石造建物が建設された。この建物は1869年(明治2年)にイギリスのエジンバラ公アルフレートの訪日に際して改修され外国人接待所「延遼館」となった。延遼館は、明治維新後も迎賓施設として使用され、1879年(明治12年)には、当時のドイツ皇太子フリードリヒが訪れた。また、同年には、日本を訪問した前アメリカ大統領のユリシーズ・S・グラントが延遼館に1か月滞在し、浜離宮内の中島茶屋で明治天皇との謁見が行われた[6]。しかし、鹿鳴館の完成により役割を終え[7]、1889年(明治22年)に取り壊された。
その後、浜離宮は、1923年(大正12年)の関東大震災と1945年(昭和20年)の東京大空襲で、大手門や複数の御茶屋や樹木が焼失し、庭園自体も大きく損傷する被害を受けた。
1945年(昭和20年)11月3日には、GHQの要求により東京都に下賜され、1946年(昭和21年)4月1日に都立庭園として開園した。1972年(昭和47年)には他の都立公園とともに無料化された[8]が、十分な管理ができなかったため1979年(昭和54年)4月に再有料化されている[9]。また、1948年(昭和23年)12月に国の名勝及び史跡に、1952年(昭和27年)11月には特別名勝及び特別史跡に指定されている。
近年、園内の施設の復元が進められており、1983年(昭和58年)に復元された「中島の御茶屋」に加えて、2010年(平成22年)12月に「松の御茶屋」、2015年(平成27年)5月に「燕の御茶屋」、2018年(平成30年)4月に「鷹の御茶屋」の復元が完了。「汐見の御茶屋」(海手御茶屋)の復元も検討されている。一方、一時は東京オリンピックに合わせて復元が予定された「延遼館」は、舛添要一都知事の辞任により復元が見合わされ、長期的に整備される計画となっている。
主な見所
- 潮入の池 - 海水を引き入れ、潮の干満(水位の上下に従って水門を開閉)による眺めの変化を楽しむことができるようになっている。都内にある江戸時代からの庭園で唯一の海水の池で、東京湾からボラ、セイゴ、ハゼ、ウナギなどの魚が入り込んで生育している。江戸時代には釣りが行われていたが、現在は禁止されている。池の岩や石にはベンケイガニ、フジツボがなどが見られる。
- 中島 - 潮入の池の中央に位置する小さい島。
- お伝い橋 - 潮入の池の岸と中島を結ぶ木造橋。1983年(昭和58年)に復元。
- 中島の御茶屋 - 中島にある茶屋。1983年(昭和58年)に復元。休憩所として公開。
- 松の御茶屋 - 潮入りの池の北東側にある茶屋。2010年(平成22年)に復元。ガイドツアーのみ内部公開。
- 燕の御茶屋 - 潮入りの池の北側にある茶屋。2015年(平成27年)に復元。ガイドツアーのみ内部公開。
- 鷹の御茶屋 - 潮入りの池の北側にある茶屋。2018年(平成30年)4月に復元。内部公開[10]。
- 三百年の松 - 江戸時代、徳川家宣が改修したときに植えられたと伝わる。東京都内最大の黒松。園内には他にも松、ケヤキなど様々な樹木の大木が多く残されている。
- お花畑 - 春はナノハナ、夏からに秋にかけてはコスモスが咲きほこる。
- ボタン園 - 60種800株が植えられている。
- 鴨場 - 鴨猟のため作られた池。庚申堂鴨場と新銭座鴨場の2つがある。築造は、前者が1778年、後者が1791年。鴨場は池と林を3mほどの土手で囲い、土手には常緑樹や竹笹を植え、鴨が安心して休息できるように外部と遮断されている。鴨場ではかつて猟が行われていた。その方法は、池に幾筋かの引堀(細い堀)を設け、小のぞきから鴨の様子をうかがいながら、稗・粟などのエサとおとりのアヒルで引掘におびきよせ、機をみて土手の陰から網ですくいとるというものであった[11]。
- 芳梅亭 - 離宮時代の官舎を修復した集会場[12]。
交通
- 大手門口
- 都営地下鉄 築地市場駅(大江戸線)- 徒歩7分
- 都営地下鉄 汐留駅(大江戸線)- 徒歩7分
- ゆりかもめ 汐留駅 - 徒歩7分
- 都営地下鉄 新橋駅(浅草線)- 徒歩12分
- 中の御門口
- 都営地下鉄 汐留駅(大江戸線)- 徒歩5分
- JR東日本 浜松町駅(京浜東北線山手線)- 徒歩15分
- 水上バス
- 東京水辺ライン 浜離宮発着場
- 東京都観光汽船 浜離宮発着場
参考文献
- 小杉雄三『浜離宮庭園』東京公園文庫 12, 郷学舎, 1981.
- 水谷三公『将軍の庭 ― 浜離宮と幕末政治の風景』中公叢書, 2002.
- 横浜開港資料館編『F. ベアト写真集 1 ― 幕末日本の風景と人びと』明石書店, 2006. - :en:Hamarikyu Garden|英語版に写真あり
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浜御殿の口コミ情報
2023年02月11日 長けた 治部大輔 進言
浜御殿
東京に住んでいながら初リア。綺麗に整備されており、流石は名勝といった感じです。江戸城辺りからウォーキングがてらリアしながら巡ると良いかと思います。本日は梅が咲き始め、香っておりました。春には更に綺麗な景観を楽しめるかと思います。
2023年01月31日 気分爽快信濃守
浜御殿
東京に来てから、いつかは行こうと思っていた浜御殿。3000城の対象となっていたのでリア攻めしてきました。江戸城並みに見応えあり、満足です。かつてここで鷹狩していたなんて、今では想像できません。近所の芝離宮もあわせて訪れ、大名気分に浸りながら、ゆっくりとした時の流れを感じてきました。
2022年12月26日 三河守ぱーる
浜御殿
2箇所「鴨場」がありました。ここでカモを取っていたそうです。写真は「小覗」です。小覗には小窓がついていています。そこから様子を窺いながら木鐸を鳴らして飼育しているアヒルを呼び寄せます。アヒルにつられて野生の鴨もやってきます。そこに鷹を放すと鷹が鴨を捕まえるそうです。池から小覗までは鴨に気づかれないよう深く掘られていてまた少し曲がっています。こんな所でこんな風に鷹狩りをしていたなんて、初めて見ましたが面白かったです。
2022年10月31日 くるみ丸
浜御殿
浜離宮大変綺麗すぎ 新橋駅で、時間あれば是非立ち寄ることをおすすめします
2022年09月28日 武蔵右近将監喜左衛門
浜御殿
お散歩にはもってこいです。お茶屋さんもあるので、疲れたら休憩できます。
2022年06月25日 ファン掃部助トム治郎
浜御殿
何度訪れてもよいところ。この日は酷暑で人は少なく、しかしながら風が心地よく通り心地よかったので30分ほどベンチで寝ていたらずいぶん日焼けしました。東京のオアシスです。