蓬原城(ふつはらじょう)
蓬原城の基本情報
通称・別名
- -
所在地
- 鹿児島県志布志市有明町蓬原字出水、神領
旧国名
- 日向国
分類・構造
- 丘城
天守構造
- -
築城主
- 救仁院成直?
築城年
- 12世紀後期
主な改修者
- -
主な城主
- 救仁郷氏、大寺氏、新納氏、豊州島津氏、肝付氏、野辺氏、伊集院氏(島津氏家臣)
廃城年
- 元和元年(1615)
遺構
- 曲輪、土塁、横堀(空堀)
指定文化財
- 市史跡(蓬原城跡)
再建造物
- 説明板
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-
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蓬原城の解説文
蓬原城の口コミ情報
2023年06月12日 順☆散歩征夷大将軍508+23
蓬原城
規模は比較的小さいものの、堀切は巨大城郭にも匹敵する深さですし、周囲を完全に川と湿地に囲まれていて近づくことすら困難、力攻めは相当難しかったんじゃないかなと思わせるシブいお城です。
構造的には台形状のシラス台地上に北方向から「上」「中」「下」の3つの郭が存在し、その中で一番南にある「下」が主郭にあたるようですが、説明板によりますと実測調査が行われていないとのことで詳細は不明。
まず、説明板の所から農地の中を進んだ真正面が「中」と「下」の間の堀切なんですけど、前述の通りかなりの深さなので、薮が苦手な人でもここだけは見ることを超絶オススメします。
この堀切内部は見た目以上に進むのに時間がかかり…倒木や段差等があって極めて歩きにくいからですが、頑張って奥に進むと右手に上方へ続く緩やかな堀底道が出現します。これを登ると「下」、つまり主郭にたどり着きます。城の東側(奥側)は菱田川に面した断崖絶壁で、落ちたら冗談抜きで一貫の終わり。先ほどの堀切も上から見るとその高さが際立ち大迫力です。高くはないですが土塁も残っているのが確認できます。
ここでいったん「下」からおりて、堀切をさらに奥に行くと、今度は左側の斜面を登ることができます。こちらが「中」の郭です。確かに薮化は激しいですけどこちらにも土塁があることがちゃんと確認できます。奥に進むと「上」との間の堀切があります。こちらもかなり深いです。
この「中」と「上」の間の堀切を無理に下りるのは大変危険なので、遠回りにはなりますが、一度最初の堀切入口まで戻り、農地と「中」の切岸の間を進んでください。少し行くと堀切?って感じの場所に出ますが、実はここは横堀です。そしてそこをさらに少しだけ進めば、箱型の堀切が出現します(なぜか右側に柵とロープがある)。その堀切を奥に進むと左側から「上」の郭に上がることができます。昭和17年まではここに熊野神社(長らくここを居城とした救仁郷氏が勧請した)がありました。そのためここだけは後世に改変されている可能性が高く、どこまでが遺構なのかは判断が難しいです。
蓬原城をネット調べてみると「薮化しているので遺構の確認は難しい」みたいな記述が多いので敬遠している人もいるんじゃないかと思います。でも、そもそも平場だって遺構ですし、土塁もちゃんと確認できますから、頑張って登る価値はありますよ。ぜひ!
蓬原城の周辺スポット情報
説明板(碑・説明板)
遺構
志布志湾に注ぐ菱田川右岸のシラス台地に位置する。城域は東西80m、南北200mほどの大きさで、上・中・下の3つの曲輪から構成され、各曲輪間は空堀で仕切られている。南端に位置する曲輪が主郭である。
菱田川に面する東側は断崖となっており、また、河川の改修が行われる以前は豪雨の度に周辺が水没し、湖に浮かぶ孤島のような状態となったとされ、単純な縄張りながらも沼城のような自然条件を活かして要害性を確保している。
歴史
築城年は不明ながら、建久8年(1197)には文書にその存在が記されていることから、それ以前の築城と考えられる。蓬原城は諸縣郡救仁郷(くにごう)を治めていた救仁郷氏の居城であった。正平14年〔南朝〕/延文4年〔北朝〕(1359)、島津氏久によって救仁郷氏が滅ぼされると、その後は島津氏と肝付氏の抗争の舞台となり度々城主が変わるが、天正6年(1576)、肝付氏を追放した島津義久の領するところとなった。
義久が豊臣秀吉に降伏した後の文禄3年(1594)に行なわれた検地により城は取り払われたとされるが、蓬原城跡現地説明板では一国一城令によって廃城になったとしている。
交通
・JR日南線志布志駅から車で約15分参考文献
・蓬原城跡現地説明板。・『日本城郭大系 第18巻』新人物往来社、1980年。
・志布志市公式サイト(http://www.city.shibushi.lg.jp/)。