四谷大木戸(よつやおおきど)

四谷大木戸の基本情報

通称・別名

所在地

東京都新宿区内藤町87

旧国名

武蔵国

分類・構造

関所

天守構造

なし

築城主

徳川幕府

築城年

元和2年(1616)

主な改修者

主な城主

徳川幕府

廃城年

遺構

消滅

指定文化財

再建造物

石碑

周辺の城

四谷見附(東京都新宿区)[1.5km]
喰違見附(東京都千代田区)[1.7km]
尾張徳川氏屋敷(東京都新宿区)[1.8km]
井伊氏屋敷(東京都渋谷区)[1.9km]
市ヶ谷見附(東京都千代田区)[2.0km]
赤坂見附(東京都千代田区)[2.3km]
今井城(東京都港区)[2.5km]
牛込城(東京都新宿区)[2.5km]
御殿山城(東京都新宿区)[2.9km]
牛込見附(東京都千代田区)[2.9km]

四谷大木戸の解説文



四谷大木戸(よつやおおきど)は、江戸の四谷に設けられていた、甲州街道の大木戸(街道を通って江戸に出入りする通行人や荷物を取り締まるための関所)である。現在の東京都新宿区四谷4丁目交差点の位置にあった。

概要 

1616年(元和2年)、江戸幕府により四谷の地に、甲州街道における江戸への出入り口として大木戸が設けられた。地面には石畳を敷き、木戸の両側には石垣を設けていた。

大木戸に隣接する場所に、1653年(承応2年)に完成した玉川上水の四谷水番所が設けられ、ここまで開渠で蓋をせずに水を引いていて、ここから地中の木樋や石樋を使い水を分配し江戸城内や江戸市中へ配水していた非常に重要な施設だった。なお、明治以降に東京の水道は近代化され浄水場で浄化された水が分配されるようになったが、玉川上水は暗渠化され今も同じ場所を水が流れている。また、水番所のあった場所には現在、東京都水道局新宿営業所があり「四谷大木戸」は昔も今もこの都市の住民にとって上水に関わる重要な場所である[1]

1699年(元禄12年)には大木戸の西に甲州街道最初の宿場となる内藤新宿が開設された。

1732年(享保17年)刊行の『江戸砂子』では巻之四に掲載された。

初めは夜になると木戸を閉めていたが、1792年(寛政4年)以降は木戸が撤去された(木戸がなくなった後も四谷大木戸の名は変わらなかった)。1829年(文政12年)成立の『江戸名所図会』には、木戸撤去後の、人馬や籠などの行き交う様子が描かれており、画の端には水番所らしき建物も描かれている。(長谷川雪旦画) https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/portals/0/edo/tokyo_library/upimage/big/1300416033.jpg

『絵本江戸土産』(1850年-)第4編には歌川広重(初代)による多色刷りの「四ツ谷 大木戸 内藤新宿」が掲載され、次のような説明が書かれている。https://arasan.sakura.ne.jp/wpr/?p=613

明治維新後、新政府により石畳や石垣は交通の障害と見なされ、1876年(明治9年)に撤去されてしまい、現在は残っていない。

現在 

四谷大木戸の位置は現在の東京都新宿区四谷4丁目交差点にあたり、その交差点上は「四谷大木戸跡」として東京都指定旧跡となっている。

四谷大木戸跡の石碑は複数ある。ひとつは4丁目交差点の北東の角にある[2]。もうひとつは交差点の西にある新宿区立四谷区民センター(新宿区内藤町87番地)の敷地内交差点寄りの位置にある。石碑のひとつは1959年(昭和34年)の地下鉄丸ノ内線の工事の際に見つかった玉川上水の石樋を使い作られたものである[3]

四谷大木戸に因む名称
4丁目交差点の南西にある新宿御苑の4丁目交差点側の出入口の名は大木戸門で、四谷大木戸に因むものである。その他、四谷大木戸郵便局、新宿区立大木戸児童遊園(公園)、新宿区立大木戸こども園(保育所)、大木戸広場、大木戸ガーデン(四谷四丁目商交会により毎年8月の第一日曜日に大木戸広場で開催されるイベント[4])、四谷大木戸藪蕎麦(蕎麦屋)、大木戸多満川(料亭)の名前に大木戸の名が残っており、新宿区四谷4丁目25の料亭「大木戸多満川」では落語協会のイベント「四谷大木戸 多満川寄席」が開催される[5][6]

四谷4丁目交差点で交差する道路 

  • 国道20号(当交差点以東が新宿通りの一部)
  • 東京都道418号北品川四谷線(外苑西通り)
  • 新宿区特別区道41-900(新宿通りの一部)[7]

周辺の駅 

  • 東京メトロ丸ノ内線四谷三丁目駅‐東の道路へ徒歩3分
  • 東京メトロ丸ノ内線新宿御苑前駅‐西の道路へ徒歩3分
  • JR中央線千駄ケ谷駅‐南の道路へ徒歩10分
  • 都営地下鉄新宿線曙橋駅-北の道路へ徒歩15分

参考文献 

  • 新宿歴史博物館編集 『新宿文化財ガイド(改訂版)』 (財)新宿区生涯学習財団 2007年
  • 安本直弘 『改訂 四谷散歩』 みくに書房 1998年
  • 【書籍】「江戸名所図会」|publisher=有朋堂書店|editor=斎藤長秋|volume=2|series=有朋堂文庫|year=1927|chapter=巻之三 天璣之部 四谷大木戸|pages=268,270-271,274|ref=}}

四谷大木戸の口コミ情報

2024年07月31日 にゃにゃんこ左近衛少将
四谷大木戸



新宿南口より新宿御苑に向かって歩き、御苑に沿って歩きその広い敷地が終わって次の大きな交差点の手前に小さな木など茂ったところに石碑が見えたところです。

2023年11月18日 武蔵守マクシミリアン
四谷大木戸

四谷大木戸の五叉路交差点から新宿通りと甲州街道(トンネル)に挟まれた楔形の地に碑が立っています。玉川上水番屋跡という碑もあり、それがそのまま碑の横に建つ都の水道局新宿営業所になったのかなあ、と想像すると楽しい。

2023年10月05日 左近衛中将五郎八(いろは)姫
四谷大木戸



説明板は他の石碑の真ん前にあり、説明板には石碑2つ分記載があります。少し離れた場所に四谷大木戸の石碑があります。夜は分かりにくいです。

2023年05月16日 赤鷺ノ宮兵部少輔武尊
四谷大木戸

古き良き遺構は現代的に残ってなかなか良い感じです。ぜひ訪れて下さい。

2022年10月21日 みっちゃん
四谷大木戸



新宿御苑前駅から5分程歩いてリア攻め。碑があるだけですが。

2021年08月26日 乱会
四谷大木戸

新宿駅から四ツ谷駅に向かって甲州街道をひたすら歩いていると遭遇できます。付近がちょっとした、本当にちょっとしたスペースになっており、近隣のサラリーマンさん達が休んでいました。

2021年06月22日 S&K弾正大弼
四谷大木戸



甲州街道沿い新宿区四谷区民センター敷地内に四谷大木戸の石碑のみ有ります。当時は現在の四谷交差点に四谷大木戸が有ったそうです。四谷大木戸は
甲州街道や青梅街道を旅をして来たが江戸に入る時の検問所で、当時は道の両側に石垣が築かれその間に木戸が設けられており、夜には木戸を閉めました。通行には通行手形を必要とされましたが、1792年に廃止になりました。

2019年04月23日 野呂利左衛門督休三
内藤家屋敷[四谷大木戸  寺社・史跡]

高遠藩内藤家の屋敷跡です。玉藻池が庭園の跡だそうです。玉藻池は玉川上水から水を牽いていました。

2019年04月23日 野呂利左衛門督休三
田安鎮護稲荷神社[四谷大木戸  寺社・史跡]

徳川御三卿の田安家の屋敷神です。現在は、近くにあった柳生家の屋敷神の鎮護稲荷神社も合祀されています。

2019年04月23日 野呂利左衛門督休三
津の守弁財天[四谷大木戸  その他]

ここの池は高須藩主松平摂津守邸の池でした。高須藩の松平家は尾張徳川家の分家で、幕末の会津藩主の松平容保や桑名藩主松平定敬ら高須四兄弟の出身の家でもあります。
ここは谷の口を人工的に塞いでおり、池の北にある中坂のところが、その堤の痕です。

2018年04月15日 野呂利左衛門督休三
四谷大木戸

先の口コミで書くのを忘れていましたが、新宿から来た甲州街道は、四谷大木戸があったとされる四谷四丁目の交差点の少し手前から緩やかに下っていきます。そして交差点の直前で底を打ち、また緩やかに上がっていきます。

2018年04月15日 野呂利左衛門督休三
四谷大木戸

四谷から新宿までの甲州街道を挟んで、南北方向に走る谷が何本かありました。
その最も新宿よりの谷の上にあったのがこの四谷大木戸です。
この谷は現在、外苑西通りと靖国通りが走っています。ちなみに靖国通りの、最も市ヶ谷寄りの北側上には市ヶ谷の尾張藩邸(現在防衛省)がありました。
この谷の東上に田安家の屋敷がありました(田安稲荷神社は田安家の屋敷神。九段北の筑土神社内の世継稲荷神社を分祀か)。また、四谷大木戸の南西側には内藤氏屋敷がありました。なお内藤氏屋敷(新宿御苑)の東側には堀状の地形が見受けられますが、玉川上水の分流のようです。
赤坂見附のすぐそばに紀州家麹町屋敷(東京ガーデンテラス紀尾井町)、喰違見附ではすぐそばには井伊家屋敷(ホテルニューオータニ)、外側に紀州家赤坂屋敷(赤坂離宮)、喰違見附と四谷見附間に尾張家麹町屋敷(上智大、紀尾井ホール)が配置されていましたが、それを彷彿させます。

四谷大木戸の周辺スポット情報

 玉川上水分流跡(遺構・復元物)

 説明板(碑・説明板)

 石碑(碑・説明板)

 田安鎮護稲荷神社(寺社・史跡)

 内藤家屋敷(寺社・史跡)

 お鷹の松(寺社・史跡)

 津の守弁財天(その他)

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