樺沢城(かばのさわじょう)

樺沢城の基本情報

通称・別名

樺野沢城、鞠子城

所在地

新潟県南魚沼市樺野沢字城山他

旧国名

越後国

分類・構造

山城

天守構造

築城主

不明

築城年

不明

主な改修者

長尾政景

主な城主

栗林氏、長尾氏、北条氏

廃城年

慶長3年(1598)

遺構

曲輪、土塁、横堀(空堀)、畝状竪堀

指定文化財

県史跡(樺沢城跡)

再建造物

石碑、説明板

周辺の城

坂戸城(新潟県南魚沼市)[7.7km]
荒戸城(新潟県南魚沼郡)[13.6km]
大井田城(新潟県十日町市)[15.6km]
今井城(新潟県中魚沼郡)[18.8km]
仙当城(長野県下水内郡)[25.8km]
室野城(新潟県十日町市)[25.9km]
岡野町城(新潟県柏崎市)[26.3km]
浅貝寄居城(新潟県南魚沼郡)[26.4km]
下倉山城(新潟県魚沼市)[26.7km]
稗生城(新潟県小千谷市)[31.9km]

樺沢城の解説文

樺沢城跡は、上田(南魚沼市)から妻有(十日町市)を経て越後府中(上越市)へ通じる魚沼丘陵の栃窪峠と大沢峠を背後に控える要衝にある。城を取り巻く城之入川を挟んで大字樺野沢と大字大沢には、上田橋の地名が残る。長享2年(1488)、三国峠を越えて上田庄に入った京都の僧万里集九は、城下に上田山大儀寺に2泊し、漢詩に上田を詠んでいる。

標高304メートルの主郭と、それを取り巻く二重の帯曲輪からなる実城を中心に、東へ向かって二ノ郭、三ノ郭が築かれている。実城と二ノ郭、二ノ郭と三ノ郭の間にはそれぞれ長大な空堀を配している。また、南西部には、谷を隔てて西ノ郭を構え、周囲の斜面に二重の横堀を穿ち、南西からの侵攻を阻んでいる。主郭背後に続く尾根には間口21メートルに及ぶ堀切があり、その先に畝状竪堀が並び、さらにその先にある2つの深い空堀で後方を遮断している。城の周囲には、二重ないし三重の空堀と土塁が曲輪群を取り囲むように鉢巻状に巡っている。

主郭の東八合目には胞衣塚(えなづか)と呼ばれる小さな石祠があり、「正徳二年辰四月吉日・椛沢村」と刻まれ、上杉景勝が誕生した時にその胞衣を納めたといわれている。川を挟んで城に隣接する龍澤寺には、上杉謙信の朱印状があり、本尊文殊菩薩は景勝の母親仙桃院(謙信の姉)が寄進したものである。

謙信急死後の「御館の乱」では、景勝と争った景虎(北条氏からの養子)を援けるために国境を越えて侵攻してきた北条軍により荒戸城・直路城に次いで樺沢城も落城し、一時、北条軍の最前線基地(本陣)になった。

御屋敷の南にある観音堂は、寛文年中(1661~73)の開墾時の夥しい遺骨の発掘と埋葬を今に伝えるもので、攻防の激しさを物語っている。

城下麓の「城館」等の屋敷跡は、上越線敷設に伴い一部消失したが、城下周辺には御屋敷、元屋敷、上屋敷、中屋敷、下屋敷等の地名が今に残り、少し下って上田橋、町屋敷、古町、桜町、前屋敷がある。元屋敷に隣接して仙桃院のお花畑跡がある。さらに黒金、綿貫、小泉、宮嶋の名を冠する地名、家臣団の屋敷があった大沢「村の内」に続いて鷹匠屋敷、本倉屋敷が並ぶ。

雪国の風俗文化を描いた『北越雪譜』の著者鈴木牧之は、「永世記録帳」に、「初代鈴木五郎左衛門国宗は、上杉氏に属し北条氏との戦いで戦死、上田庄大儀寺に葬られた。二代右馬頭国計は、樺沢城主栗林肥前守に仕え、三代弥兵衛国宣は、上杉氏の会津国替えに伴った。」と記している。栗林肥前守は最後の城主であり、景勝の後見にもなっている。

慶長3年(1598)、樺沢城跡は上杉景勝会津移封により廃城となった。

情報提供:南魚沼市教育委員会


樺沢城の口コミ情報

2025年10月24日 た~さん 越後守
樺沢城



仕事で南魚沼市辺りに来てました。ちょうど合戦で西軍景勝隊に参戦してたので、景勝の生誕地へ。本丸より景勝も見たであろう景色を見て合戦後半戦へ💪

2025年05月24日 ᴿᴱᴰ副将軍
樺沢城



御館の乱における北条氏の最前線拠点

オススメ度 ★★★★★

築城年代は不詳。南北朝時代に新田義貞の家臣である田中右衛門尉が鞠子城と称して居城としたのが始まりとも云われます。
その後、坂戸城の上田長尾氏の家臣である栗林氏が樺沢城と称して在城し、坂戸城の支城として機能したとされます。
1550年に坂戸城の戦いで長尾政景を鎮圧し、上杉謙信が越後平定をすると樺沢城は春日山城の番城となり、関東進出の宿城となりました。
1578年に上杉謙信が没すると御館の乱が勃発。上杉景勝と上杉景虎が家督争いをする中で、小田原北条氏は上杉景虎の援軍として荒戸城と樺沢城を攻略。北条氏は樺沢城を前線拠点として改修したとされます。
しかし北条氏は冬期を前に樺沢城に北条氏邦・北条高広らを残して関東へ撤退。
翌1579年に上杉景勝方で坂戸城を守る栗林政頼らに攻められ樺沢城は落城したとされます。
その後は上杉景勝の属城となり城代が置かれましたが、1598年に上杉景勝が会津へ移封となると廃城となりました。

見所
魚野川上流部左岸の丘陵上に築かれており、沢や谷が複雑に入り組んだ地形を利用。非常に複雑で土木量の多い縄張りです。
丘陵頂部に本丸を置き、東に二ノ丸・三ノ丸を配して堀切により区切られており、それぞれの周囲に帯曲輪が敷設されています。
更に三ノ丸の西側には西ノ丸が設けられています。
本丸の西南背後の尾根筋が最大の見所であり、深く鋭い六条の連続竪堀が明瞭に残存しています。
上杉氏と北条氏の築城術が合わさった名城です。

行き方は、東側麓の龍澤寺を目標に設定。駐車場があり、地元の保存会により登城路も整備されています。比高は約90mです。

5月でも残雪がある最高のコンディションでした。
ここで偶然にもばったりインスタフォロワーさんと再会。

2021年08月16日 真田上野介信吉
樺沢城



「樺沢城跡」は上越国際スキー場前駅から徒歩5分、越後府中へ通じる栃窪峠、大沢峠を背後に控え、関東の玄関口である三国街道、清水街道の分岐点をおさえる優れた位置にあります。
「御館の乱」では北条軍侵攻の最前基地で上田口攻防の拠点となった古戦場です。
城郭は帯曲輪が二重に取り囲み、中腹以下を三重四重に空堀と土塁が鉢巻き状に取り巻く堅固な築城(囲繞堀)で、県下では他に例がありません。

ー史跡 樺沢城パンフレットよりー

【上杉景勝公生誕の地】
見所は何と言っても九条からなる畝状竪堀で、その内の二条は見事なまでに掘り切っています。現在、畝状竪堀への案内が見当たりませんので、縄張り図とにらめっこしながら進入口を探してみてください。
※ヒントとなりそうな写真をフォトギャラリーに投稿済(7月31日)。

車でのアクセスは、関越道塩沢石打インターより約10分。国道17号沿いガソリンスタンドの信号(上越国際スキー場入口)に大きな案内看板がありますから、あとは上越国際スキー場方面へ道なりに進みます。龍澤寺の相向かい東登口上方が専用駐車場です。

少し離れた場所には馬場跡もあり、東登口に設置のガイドマップ(パンフレット)を参考にゆっくり城周辺を散策するのも楽しいと思います。

2021年07月19日 明石家船上
樺沢城



連続竪堀が、本丸と堀切を隔てて存在します。そこが見所と考える方もいるようです。冬は入れないので、夏に行きますが、マダニに気をつけてください。日本紅熱班、熱性血小板減少症など。長ズボン、長袖がふさわしい服装です。

2019年05月30日 龍馬備中守【】
樺沢城



V字に切られた堀切☆謙信様の没後「御館の乱」勃発☆上杉景勝と上杉景虎が相続を争う☆景虎の父は北条氏康だった為関東からの援軍で来た小田原北条氏の猛攻により荒戸城と樺沢城を攻略☆

2019年05月30日 龍馬備中守【】
樺沢城



主郭西側・連続する堀切からの竪堀☆上杉謙信様の越後平定により春日山城の番城に☆関東進出の宿城となる☆

2019年05月30日 龍馬備中守【】
樺沢城



主郭北側・残雪残る帯郭☆坂戸長尾氏の家臣であった栗林氏によって築かれる☆坂戸城の有力な支城☆

2019年05月30日 龍馬備中守【】
樺沢城



二の丸より☆(奥)石碑がある所が三の丸☆削平地の切れ目の下は空堀☆2つの郭を遮断する☆

2019年05月07日 龍馬備中守【】
樺沢城

主郭・西側の連続畝状竪堀群は写真に収まりきれずの全部で8本☆斜面へ一気に落ちる☆樺沢城は上杉謙信が関東進出の宿城に使った城であり上杉景勝の生誕の地☆

2019年04月18日 カーネル
樺沢城

上越線 大沢駅から

改札を出ても、お城は線路を挟んで反対側にありますので、まずは線路に沿って北上します

500m程度進んだところに、御屋敷跡の石碑があります。さらに進むと元屋敷の石碑がありつつ、駅から10分ほどで樺野沢集会センターがある交差点です

ここで左折しますが、ここには中屋敷の石碑があります。線路をくぐると右に龍澤寺で、左に登山口があり、ここには駐車場もあります

お城はくるっと1周できる遊歩道が完備されていて、堀などの案内が充実していて楽しんで歩けます

畝状竪堀に興奮しつつ1周して、来た道を戻り駅へ帰る。100分でした

2015年06月21日 安田民部卿秀俊
樺沢城

未だに豪雨による崩落跡が生々しく、登城は一筋縄ではいきません。立ち入り禁止のロープが張ってある箇所も多く、遊歩道から外れずに登る事を推奨します。

2012年05月27日 傾奇揚げ仙兵衛
樺沢城

牧之通りに来たついでに立ち寄ったところ豪雨・豪雪災害で入山禁止でした

樺沢城の周辺スポット情報

 堀切(遺構・復元物)

 登城口(碑・説明板)

 関山城(周辺城郭)

 宮ノ下城(宮野下城)(周辺城郭)

 君沢城(君澤城)(周辺城郭)

 君沢館(君澤館・長者屋敷)(周辺城郭)

 舞子城(周辺城郭)

 仙石城(串潟城)(周辺城郭)

 木六城(大木六館)(周辺城郭)

 塩沢大館(大舘屋敷)(周辺城郭)

 当間城(周辺城郭)

 市之沢城(周辺城郭)

 桃山城(周辺城郭)

 かたがり城(周辺城郭)

 水沢館(周辺城郭)

 馬場館(周辺城郭)

 南谷内館(周辺城郭)

 土市城(周辺城郭)

 伊達城(周辺城郭)

 秋葉山城(周辺城郭)

 小栗山城(周辺城郭)

 駐車場(駐車場)

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