犬飼城(いぬかいじょう)

犬飼城の基本情報

通称・別名

根古屋城

所在地

栃木県宇都宮市上欠町

旧国名

下野国

分類・構造

山城

天守構造

築城主

小山義政?

築城年

天授5年〔南朝〕/康歴元年〔北朝〕(1379)

主な改修者

主な城主

犬飼氏

廃城年

元亀4年(1573)

遺構

曲輪、土塁、横堀(空堀)

指定文化財

再建造物

周辺の城

江曽島城(栃木県宇都宮市)[3.0km]
横田城(栃木県宇都宮市)[4.6km]
宇都宮城(栃木県宇都宮市)[5.2km]
戸祭城(栃木県宇都宮市)[5.8km]
多気城(栃木県宇都宮市)[8.6km]
鹿沼城(栃木県鹿沼市)[9.1km]
児山城(栃木県下野市)[9.5km]
刑部城(栃木県宇都宮市)[11.0km]
壬生城(栃木県下都賀郡)[12.0km]
飛山城(栃木県宇都宮市)[12.1km]

犬飼城の解説文



犬飼城(いぬかいじょう)は、栃木県宇都宮市上欠町にあった城。根古屋城(ねごやじょう)とも称する。城に関する伝承はほとんど残っていないが、城跡としての保存状態は良い。

地理 

栃木県宇都宮市上欠町の聖山公園(せいざんこうえん)がある丘陵地の南端に位置し、姿川と武子川(たけしがわ)にはさまれ、周囲を急崖(比高約15 m)に囲まれた天然の要塞である。聖山公園から約600 mほど南下すると、右手(西方)に現れる山林が城跡に相当する。上欠町の小字根古屋にあるため、根古屋城とも呼ばれる。

城跡は私有地であり、複数の地権者が所有している。

歴史 

城に関する伝承はほとんど残っていない。『姿川村誌』によると、小山城の支城として、康暦元年(1379年)に小山義政が築城したという。元亀年間(1570年 - 1573年)には北条氏政に攻め込まれ、小山政長と小山秀綱が応戦したが落城し、元亀4年(1573年)に犬飼康吉が犬飼12郷を治めて城主となるが、宇都宮氏に攻め落とされたとされる。

しかしながら、実際には犬飼城の周辺は宇都宮氏の所領であり、しかも宇都宮氏と小山氏は合戦を交える敵対関係にあったことから、小山氏が敵陣に単独で支城を築くとは考えにくい。また築城年とされる康暦元年(1379年)説も、現存する遺構の複雑さからして疑わしい。そこで、宇都宮氏が戦国時代に防備拠点の1つとして築いたと考えるのが妥当である。

城下の個人宅には城主に仕えた家老であったとの伝説が残る。

保護・継承活動

地元の姿川地区まちづくり協議会では、小学4年生向けに犬飼城をはじめとする地域の歴史や文化をまとめた副読本を作成し、姿川地区にある4つの小学校に配布し、子供たちに文化財を伝える活動を行っている[1]。また2018年(平成30年)3月15日には、姿川地区まちづくり協議会が宇都宮市立姿川第一小学校体育館に使われていた床材を再利用して案内板を設置した[2]

構造 

犬飼城は平山城で、本丸と二の丸で構成されていた。城の東側は急崖であり、西側の防備が弱いため、西側は堀と土塁で三重の守りを固めている。規模は東西約160 m×南北約180 mである。

一辺50 m四方の本丸の東縁は崖であり、一部に土塁を、一段低くなったところに堀切と武者走りを構築している。北縁から西縁にかけては土塁と深さ約5 mの空堀を配し、二の丸と区切っている。本丸・二の丸を囲むように深さ3 - 5 mの空堀を巡らせ、その外側に土塁がある。さらにその南側に東西に長い外郭を設け、大手に土橋を架けていた。

遺構

城跡は山林や農地となっている。堀や土塁の跡は築城当時の様子をよく残しており、井戸跡や櫓跡も確認できるなど、宇都宮市内では特に保存状態が良好な城跡である。ただしモウソウチクが生い茂って堀・土塁などを覆い隠すようになってきたため、地域の歴史関係団体が土地所有者の許可を得た上で、2018年(平成30年)にモウソウチクを伐採した。

保存状態は良いが、文化財指定はされていない。(文化財保護法に基づく埋蔵文化財包蔵地の扱いにはなっている。)2019年(令和元年)7月9日に行われた姿川地区のまちづくり懇談会では、市の文化財指定と、近接する根古谷台遺跡との一体化整備が住民側から要望された。これに対し市側は、土地所有者からの申請があれば、文化財保護審議委員会の調査等を経て文化財指定し、保護活動団体に支援が行えること、根古谷台遺跡は市有、犬飼城跡は私有のため現状では一体化整備ができない旨を回答した。

参考文献 

  • 【書籍】「うつのみや歴史探訪 史跡案内九十九景」
  • 【書籍】「改訂 うつのみやの歴史」
  • 【書籍】「宇都宮の旧跡」 全国書誌番号:90025622

犬飼城の口コミ情報

2024年08月01日 マグロ常陸介祐平
深津城[犬飼城  周辺城郭]



鹿沼インターから東に2km、延命寺が城址となります。江戸時代の延宝年間に書かれた那須記には、「天正四年宇都宮国綱は多気山城を築く 御共奉の侍には深津城主小林豊後守 桓武平氏和田義盛三男小林三郎義秀二十二代孫也」とあることから、宇都宮氏の家臣で朝比奈義秀の子孫とされているようです。

城内にある延命寺(写真4枚目)は、平安時代中期以前に創建されたお寺で、永禄10年(1567年)頃に小林豊後守が宇都宮城の出城(深津城)を築いた際に祈願寺として再建されたとされており、天正四年に兵火により焼失したとあり、城攻めにあったのかもしれません。

お寺の西側には、深さがあり、用水?のような水に流れがある水堀(写真1,2,3,6枚目)とその外側に浅い空堀(写真5枚目)が見られ、東側には武子川がながれていますが、周辺は墓地や畑となっており、縄張りは想像することも困難な状況でした。

2023年11月19日 HAL2000壱岐守
犬飼城



宇都宮駅から西に車で30分ほど。住宅街が途切れて、田畑が見えてきた先に丘陵があり、その上にあった城だそうです。

丘陵部には、うつのみや遺跡の広場資料館があり、古墳や竪穴住居跡などが残っているそうで、かなり古い時代から人々の生活が営まれてきた地であることがわかります。

姿川をわたり、丘陵を上がっていく道はかなり狭く、生活道であるため、注意が必要です。台地を少し上がった先に、1台分の駐車場があります。そこから民家や畑の間を抜けると、写真の看板があり、城域になります。堀跡はきれいに残っていますが、木々が生い茂っており、ルート案内の看板はあるものの、手入れがそう入っているわけではないので、歩くのは少し大変です。

二重の堀の先に主郭跡があり、井戸跡なども残っています。地形の構造はよく残存しています。これだけを見に来ると物足りないかもしれませんが、近くまで行かないと攻略できないのもあり、宇都宮まで来た際にはついでに見ておくと面白いかもしれません。

2022年05月09日 マグロ常陸介祐平
犬飼城



本丸と二の丸を囲む空堀や土橋がよく残っています。コース案内の矢印がありますが土橋を渡った辺りからは薮が凄いことになっていて、薮と蜘蛛の巣をかき分けて進むことになります。行かれる方はご注意ください。

2021年11月11日 【籠城中】下野守智ぞう
犬飼城



JR日光線鶴田駅下車~。栃木街道に出て壬生方面へ。スタミナ太郎とマクドナルドを目印に右折。根小屋通り沿いに真っ直ぐ歩き突き当たりに、犬飼城への案内看板が点在しているので難なく城跡に行けるかと‼️

わたくしは道を間違えたりして鶴田駅から行きは歩いて1時間くらいかかりましたが、帰りは40分くらいでいけました

根小屋通りと姿川田園通りが交差する場所まで来たらもう近いです

駐車場もあります!詰めれば4台くらいは止められそう。

遺構状態も良く、ほとんど無名な城跡なのに!ってビックリしました!縄張りも技巧的です。

宇都宮氏の対北条・壬生の備えの最前線の城?そんな風に感じました!

宇都宮まで来たらここも是非寄ってみてください

2021年02月15日 なり右兵衛佐げちょ
犬飼城



堀がちゃんと残っていて、なかなか見応えのあるお城でした。看板もいくつかあり、分かりやすかったです。

2018年04月01日 だび
犬飼城

2018年4月1日から姿川歴史と文化の会メンバーによる見学コース整備が完了
空堀、土橋、曲輪が圧倒的に見学しやすくなりました
南側の根古屋地区から登れます(駐車場も完備)
案内板も設置
3000城に相応しい名城を堪能出来ます

2015年12月15日 三輪左近衛少将直虎
犬飼城

公園から台地続きに行けますが畑を横切るので端っこを歩きました
どこから行っても酷い藪に阻まれます
遺構は素晴らしいですが藪のため写真映えしません
南側からだと一分で登れますが私有地なので地主さんに声がけしましょう
行政がもう少し整備してくれたらな、と思います

2015年10月24日 まー刑部卿
犬飼城

駐車場ないため宇都宮史跡のむらの裏にある道路に路駐し10分ほど歩くと田んぼに上がるところ発見し上がるとお墓がありその裏手に城跡があったが竹やぶ凄くて断念する。先人の写真にある模型は史跡のむら資料館内(無料)にあります。

犬飼城の周辺スポット情報

 入口(碑・説明板)

 登城口(碑・説明板)

 深津城(周辺城郭)

 駐車場(駐車場)

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