田名城(だなじょう)
田名城の基本情報
通称・別名
- 田名グスク、ウッカーグスク
所在地
- 沖縄県島尻郡伊平屋村字田名田名原
旧国名
- 琉球国
分類・構造
- 山城
天守構造
- なし
築城主
- 阿麻和利?
築城年
- 14〜15世紀
主な改修者
- -
主な城主
- 阿麻和利?
廃城年
- -
遺構
- 曲輪、石垣、堀切、拝所
指定文化財
- 県史跡(田名城跡)
再建造物
- 碑、説明板
周辺の城
-
伊是名城(沖縄県島尻郡)[17.4km]
今帰仁城(沖縄県国頭郡)[42.3km]
伊江城(沖縄県国頭郡)[42.8km]
与論城(鹿児島県大島郡)[43.8km]
名護城(沖縄県名護市)[53.3km]
恩納城(沖縄県国頭郡)[64.6km]
山田城(沖縄県国頭郡)[73.7km]
伊波城(沖縄県うるま市)[73.8km]
泊城(沖縄県うるま市)[77.1km]
座喜味城(沖縄県中頭郡)[77.3km]
田名城の解説文
田名城の口コミ情報
2025年04月23日 日高守きこりん
田名城
新規登録グスクの先陣を賜ってしまったので口コミ投稿しておきます!
田名グスク(だなグスク)は田名集落背後の後岳(くしだけ)の前衛峰の山頂一帯を中心城域とするグスクです(このグスクに関する文献の中で、後岳山頂にあるという記述を見かけますが、誤りではないでしょうか)。
私の登山ログによると最高所は標高181m。最低地点は26mなので比高150m以上ある完全なる山城です。沖縄本島の多くのグスクが石灰岩台地に石灰岩を積んで築かれているのに対し、田名グスクは山岳にチャート石で石塁や虎口を築いています。
ほぼ真っすぐ尾根筋を登っていく登城路の脇に麓近くから段々の削平地が連なりますが、藪のためほとんど確認できません。山頂近くに2つの石積虎口があり、虎口から続く石塁がまるで古代山城のように勾配と高さを変えながら山頂一帯をぐるっと囲っています。石塁は内側を垂直に近い角度できっちり積み、外側は崩壊が目立ちますが45度くらいの角度で緩く積んでいるものと観察できました。藪で石塁を追って歩くのは困難ですが、ところどころはっきりと見える箇所はなかなか見事でよく残っています。
中心部も藪で全貌は把握し難いですが、拝所としっかりと水を湛えている池が見られました。
登城口は田名神社で、縄張図付きの説明板が立ち車もその辺に置けます。たいして高い山ではないものの、ゼロに近いスタート地点からのほぼ一貫して真っ直ぐ登る道であるため意外とキツいです。ビーサンでは行かないでください。道は最低限刈られていて歩けます。道を外れて藪の中を歩くのはしんどいですが、藪漕ぎしないとあまり石塁は拝めません。
飲み物やおやつは麓の田名共同売店で買いましょう。伊平屋島産のアオサやもずく、黒糖などお土産も買えます。
以下、リア攻め作戦立案の参考に…
フェリー乗り場から登城口まで直線距離3kmちょっと。レンタカーはフェリー乗り場のすぐ近くにあり、原付バイクやレンタサイクルもあるようです。港から田名集落まではコミュニティバスもあります。
フェリーの時間の都合上、日帰りのばあい島での滞在時間は40分ほど。リア攻めはほぼ無理であり、1泊するのが現実的でしょう。
宿は何軒もありますが、小さい宿が多くちょっと観光客やビジネス客が立て込むと空室を見つけにくくなります。設備やアメニティの点で女性や若者には厳しい宿も多いと思われます…
伊平屋島には田名グスクの他にもいくつもグスクがあります。
私が島で一泊してレンタカーを使って回ったのは他にヤヘーグスクと賀陽グスク。
ヤヘーグスクは干潮時のみ歩いて渡れるヤヘー岩の上に築かれた極小グスクで、珊瑚礁の海を歩いて渡って行って岩に登るという稀有な登城体験を与えてくれる場所で超オススメです!
賀陽グスクは伊平屋島最高峰の賀陽山山頂に築かれた山城グスクで、田名グスクと同じく石積虎口や石塁が確認できます。おとなり伊是名島方向の珊瑚礁の海の絶景も素晴らしいです!
他に腰岳もグスク山であるらしく、また田名共同売店のお兄さんの話ではアサ岳もグスクらしいです。ステゴザウルスの背中のように、細長い伊平屋島に連なる山々の主要ピークの多くはグスク山であるということになります。
ぜひとも伊平屋島で宿泊してグスク巡りを楽しんではいかがでしょうか。渡船チャーターして伊是名島に渡って伊是名グスクを目指すのも良いかと思います。
参考文献: 「伊平屋島内のグスクに見られる石積みの形態と構造について―田名グスクを中心に―」
「離島の小規模グスクについて」
『グスク分布調査報告(1)』
いずれも題名で検索すればPDFで見られます!