温泉城(ゆのしろ)

温泉城の基本情報

通称・別名

白毫山(びゃくごうさん)城

所在地

兵庫県美方郡新温泉町湯

旧国名

但馬国

分類・構造

山城

天守構造

築城主

不明

築城年

南北朝時代

主な改修者

主な城主

奈良氏

廃城年

遺構

曲輪、土塁、堀切、竪堀

指定文化財

町史跡(温泉城)

再建造物

説明板

周辺の城

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温泉城の解説文

温泉城(ゆのしろ)は、兵庫県美方郡新温泉町にある山城。

歴史 

南北朝時代以来、奈良氏の城とされる。奈良左近は南朝方に与し、延文元年(1356)に北朝方の今川義貞に温泉城を攻撃されたという。

元亀2年(1571)8月、毛利方の鳥取城主・武田高信が尼子方の芦屋城主・塩冶肥前守を攻めた際、奈良氏も塩冶方で参戦している。

天正9年(1581)の羽柴秀吉の鳥取城攻めの際、温泉城は落城したといわれる。しかし畝状竪堀や竪堀が卓越した縄張に戦国時代末期の改修がうかがえ、羽柴秀長の但馬平定後の小代一揆で一揆軍の拠点として使われた可能性も指摘されている。

遺構 

平安時代開湯とされる湯村温泉から1キロほど南下した、標高338mの白毫山に位置する。東西約400×南北約200mに及ぶ広大な城だ。

山頂には、東西約41m×南北約25mの主郭をはじめ4つの曲輪が東西に並ぶ。そこから、北側と西側の尾根上にも10数段の曲輪群が展開する構造だ。西尾根と北尾根の曲輪群は、主郭下の帯曲輪を経てそれぞれ展開する。

西尾根の曲輪群は、西端部に大規模な三重堀切があり圧巻だ。幅はいずれも4~5m、深さは1.5~2m。堀切の両端は竪堀となり、両側の斜面に長さ20~25mにわたり3本が連続して並ぶ。三重堀切手前の曲輪は南側にこの城では珍しい土塁があり、その先には2つの小曲輪と2本の竪堀が設けられている。

この城の最大の特徴は、北尾根上にある、横堀を伴う5本の放射状の竪堀群だ。横堀は幅約3mで深さ約0.6m、竪堀は幅2.5~3m、長さ15~22mだ。この先にも曲輪が連なり、畝状竪堀や竪堀で防御を固めている。北端のやや大きい曲輪は周囲に畝状竪堀が設けられ、曲輪の北東側には3つの小曲輪を経て、端部には幅約5mの大規模な堀切がある。尾根が温泉集落に通じることから、こちら側が城の大手とみられる。

主郭を含む4つの曲輪群は、北側斜面に幅約5m、長さ約43mもの長大な竪堀をはじめ、いくつか竪堀がある。東端の曲輪の北側斜面には、3本の竪堀が連続している。この曲輪の東端部にある土塁のような高まりは、櫓台の可能性があるようだ。尾根の約110m先には二重の堀切がある。

交通 

・鳥取空港から車で約50分

参考文献 

・『新温泉町文化財調査報告書1 但馬国 新温泉町の城郭集成』新温泉町教育委員会、2017年。
・『図解 近畿の城Ⅰ』戎光祥出版、2014年。

文:萩原さちこ


温泉城の口コミ情報

2024年06月11日 #いいのすけ#
駐車スペース[温泉城  駐車場]

途中から道が荒れているので、やや広い路肩か、健康公園の駐車場に停めるほうがいいです。

2018年03月23日 iggy摂政
温泉城

《基本データ、登城道等》
標高338m、舗装道突き当たり地点からの比高約70m。
同地点北側を進むと登城道(遊歩道)がありますが、遊歩道は雪の重みで曲がった雪山独特の樹木が道を覆ってしまい、道の体をなしておらず藪漕ぎ必須です。
主郭部は過去に整備されたのでしょう、雑木は伐採され歩きやすい。

《遺構》
三方の尾根に堀切を設けている。
東尾根に小ぶりな二重堀切、南西尾根に小規模ながらも見応えある三重堀切(端はそれぞれ竪堀へ)、北尾根は横堀状堀切(だいぶん埋まっていますが…)から放射状に落ちる5本の竪堀と曲輪群を挟んで北端に1本の堀切を設け防御する。
5郭南端には土塁を認めるが、残念ながら風化の一途を辿っています。
主郭部北側及び西側に竪堀を配するなど、特に北、西側からの侵入に対し備えを厚くしていたようです。

《参考》
藪漕ぎ必須と記せば登城が敬遠されてしまうのが辛いですが、湯村温泉街を眼下にできるなど見晴らしがきく山城です。
風化著しい遺構もありますので、機会あれば今のうちに登城していただければと思います。

2015年04月30日 北川幸人
温泉城

国道9号線歌長北交差点から 県道103号線を約3㎞の健康公園のバス停の近くに案内看板がありました。
園内のログハウスと離れるように北方向に進むと、道が細くなりガードレールもなくなり、遂に通行止め。舗装下が陥没しているとの事です。
車を僅かな路肩に停め、徒歩でさらに進むと、約400mで舗装道は終わり、温泉町教育委員会の説明看板とベンチがありました。この場所も城域になりますが、山頂主郭部へは、あと少し道なき道を進む事になります。

温泉城跡 (白毫山城跡)
湯集落南側、岸田川の支流春来川と稲負谷川に挟まれた白毫山に所在し、城域は東西400m、南北200mある。
標高338mの高所に位置する主郭(東西41m南北25m)を中心にして三方向に延びる尾根に階段状に10余りの曲輪を配置し、各尾根の先端に二〜三重の堀切、竪堀で防御している。
南北朝期に起源を持つ城ではあるが、横堀や畝条竪堀を含む30本を超える竪堀の存在から、戦国時代末期に大改修された城である。(「二方考」より)
案内看板の全文です。



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 駐車スペース(駐車場)

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 登城口(その他)

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