鷹尾城(たかおじょう)

鷹尾城の基本情報

通称・別名

鷹尾山城、芦屋城

所在地

兵庫県芦屋市城山

旧国名

摂津国

分類・構造

山城、平城

天守構造

築城主

瓦林正頼

築城年

永正8年(1511)

主な改修者

瓦林正頼

主な城主

瓦林氏

廃城年

元亀元年(1570)?

遺構

曲輪、土塁、堀切、堅堀

指定文化財

再建造物

周辺の城

越水城(兵庫県西宮市)[4.0km]
西宮砲台(兵庫県西宮市)[4.3km]
平野城(兵庫県神戸市)[4.6km]
瓦林城(兵庫県西宮市)[7.1km]
落葉山城(兵庫県神戸市)[7.2km]
摩耶山城(兵庫県神戸市)[7.9km]
小松城(兵庫県西宮市)[8.3km]
小浜城(兵庫県宝塚市)[9.6km]
富松城(兵庫県尼崎市)[9.9km]
丸山城(兵庫県西宮市)[9.9km]

鷹尾城の解説文



鷹尾城(たかおじょう)は、兵庫県芦屋市にあった日本の城。山城部分を「鷹尾城山城」平城部分を「芦屋城」と区別していうこともある。阿波の細川澄元の畿内進出の防衛最前線基地として、細川高国が瓦林正頼に築城を命じたと言われている。

概要 

標高262.1mの「城山」にある城で、すぐ後方にある名前の由来となった標高271.8m「鷹尾山」には城の遺構は確認できていない。「城山」の山頂が城の最後尾ではなかったかと思われる。

城山」は、阪神間から有馬にいたる最短の登山道にあたり、東には奥池を水源とする芦屋川、西には「高座の滝」で名高い高座川が流れ、南で合流している。山頂にはNHK神戸放送局とサンテレビジョンの山芦屋中継局が設置されている。

沿革 

鷹尾城は築城後よりすぐに芦屋河原の合戦の中心となり、赤松義村軍の猛攻に遭い瓦林正頼らは鷹尾城から落ち延びたが、船岡山合戦より赤松義村軍が兵を退いたのを見計らい、瓦林正頼は鷹尾城を改修するとともに越水城を築城しこれを本城とし、鷹尾城は家臣の鈴木与次郎に守らせ越水城の支城とした。その後は記録が残っていないので、越水城が廃城となった同時期に鷹尾城も廃城になったと思われる。

鷹尾山城と芦屋城 

鷹尾城は、鷹尾山城と芦屋城の平城から成り立っていたのではないかと思われている。

山城の基本は山頂部に食料、武具を保管する建物を作り山全体を要塞化し防御に優れている反面、居住には不便である。鷹尾山城もそれにならったものであったと思われるが、山腹部に芦屋城を作り居城としていた。

鷹尾山城(山城)

  • 芦屋市城山全体
  • 山頂部の遺構…削平面、土塁、堀切、竪堀

鷹尾山城には、遺構がいくつかみうけられるが、戦時中に高射砲の観測塔の塹壕が掘られ、曲輪が不明になってしまった上に、ハイキングコースにもなっており鷹尾山城と芦屋城の連絡通路も解っていない。

また山頂付近やハイキングコースの所々に石垣が見受けられるが、これは高射砲の観測塔を支える土留めの石塁、または観測塔の建設資材運搬用の石垣で鷹尾山城とは関係がない。

芦屋城(平城)

  • 芦屋市山芦屋町周辺
  • 遺構…礎石建物跡、墳墓
  • 遺物…瓦、土質灯明皿、古備前すずり鉢など

芦屋城には建物跡があることから、鷹尾山城にも何らかの建造物があった可能性がある。この2つの城を機動的に使用し敵の侵入を防ごうとしたと思われる。永正8年(1511年)7月26日の芦屋河原の合戦で「外城を攻め落とす・・・」という記録が残っており、この外城が山腹にあった芦屋城のことではなかったかと見られている。

鷹尾城からの眺望 

山城は敵の動きを察知しやすいのが特徴であり眺望は大事な要素であるが、鷹尾城は兵庫、摂津両面の眺望が優れており、本城の越水城に情勢を伝達できる。

城跡へのアクセス 

  • 車でのアクセス
    • 阪神高速道路 3号神戸線 芦屋出入口 → 国道43号 → 兵庫県道344号
    • 周辺に駐車場無し
  • 電車でのアクセス
    • 阪急電車神戸線 芦屋川駅 → 登山口 徒歩15分
  • 徒歩でのアクセス
    • 登山口 → 城山山頂 徒歩25分

参考文献 

  • 『日本城郭大系』第12巻 大阪・兵庫、新人物往来社、1981年。
  • 『芦屋市史』第1巻

鷹尾城の口コミ情報

2023年09月01日 RED副将軍
鷹尾城



有名ハイキングコースであり、主郭背後の大堀切と二重空堀が見事な山城🏯

オススメ度 ★★★★⭐︎

1511年に瓦林正頼により築城。
築城後から間もなく、細川高国と細川澄元の争いである芦屋河原の合戦の舞台となり、瓦林正頼は細川高国に付きます。しかし、敵方である細川澄元に属する赤松義村の猛攻に遭い、鷹尾城から落ち延びたとされます。
その後、船岡山合戦により赤松義村の兵が鷹尾城から引いたのを見計らい、瓦林正頼は鷹尾城を改修すると共に越水城を新たに築城。越水城を本城とし、鷹尾城には家臣の鈴木与次郎を守将として配し支城としました。
その後の記録は無いため、越水城が廃城となると同時期に鷹尾城も廃城になったと考えられています。

見所
標高272mの鷹尾山から南東に伸びた尾根にある標高262mの城山に築かれています。
城名から鷹尾山にありそうに思えますが、南から登ると鷹尾山は行きすぎになるので注意です。
山頂の主郭にはテレビ中継局があり遺構らしいものはありませんが、北側背後には大堀切と二重の空堀が見事に残っています。
通常は尾根を垂直に堀切で分断するものですが、ここは尾根と並列に二重の空堀が掘られており、細長い郭が認められます。
その先に北郭がありここも大堀切で分断されています。大堀切は登山ルートとなっていますが充分に堀切であることは確認できます。
北郭には土塁が認められますが、送電線鉄塔が建っています。

行き方は、阪急神戸線芦屋川駅から南側麓の城山登山口まで歩いて行きました。
比高は約150mであり25分くらいで辿り着きました。
また、城山、鷹尾山は大坂城の石切場であったこととしても有名で、刻印のあるものや矢穴が空いた残念石が点在するので鷹尾山にも併せて登ると良いです。
更に進むと岩梯子やテーブルロックで有名な荒地山への分岐があります。折角の機会なので六甲山のクライミングをするのも楽しく、トレッキングとしてもオススメです。

2023年06月12日 tracer_azu
鷹尾城



2回目の再訪です、城道八分目あたりに堀切があるのですが、その近くに矢穴のついた石があります。東六甲周辺大阪城普請の際に石丁場とされたようで、鷹尾城より鷹尾山へ進む登山道にもいくつもの矢穴石や石丁場と見受けられる場所がありますので、興味のある方はぜひそちらへも寄られることをお勧めします。

鷹尾城には二重の空堀、土塁、竪堀などが明瞭に遺っていますが、2郭、主郭に鉄塔などが建設されており、遺構の破壊もあったと思われます。また眺望が大変よく摂津が一望できるので、監視や睨みをきかせるためにあるべくしてあった山城と思われます。

2022年12月30日 芦屋能登守虎吉
鷹尾城



阪急芦屋川駅から山頂まで1時間弱です。ハイキングコースになっていて歩きやすい山城で、山頂には堀切跡や土橋などがありました。大阪湾、京都から大阪南部まで一望できる景色は秀逸です。過去に鉄塔建設のために遺構が破壊されたらしく、、、教育委員会にはちゃんとしてほしいです。

2021年03月07日 村国三成 無期限休止
鷹尾城

ここは埋蔵文化財包蔵地になっていて工事などをする際は事前確認が必要ですが、芦屋市が「遺構はない」と誤った認識で鉄塔工場に入り空堀の一部を壊してしまったようです。
鉄塔工場は必要なんでしょうが・・・
と、在住の友人が嘆いています。

2016年12月26日 橘若狭守次郎吉
鷹尾城

鷹尾城は戦国の時代に『芦屋河原の戦い』の合戦地である。標高262.1Mの“城山”の山頂付近にある。

阪急電鉄「芦屋川」駅から北に歩いて15分程の高級住宅地内に登山口がある。また、登山口付近のマンションの前に案内板がある。登山口から10分程で展望台に到達する。ここからの眺めは最高である。この展望台辺りから城域である。登山道はハイキングコースとして整備されていて、非常に登りやすい。

展望台から少し登ると右手(北側)に出丸が現れる。堀切を見つけることができた。さらに10分程登るとTV中継所が見えてくる。そこら辺から鷹尾城の本域だ。TV中継所のある曲輪から少し進むと土橋が鮮明に残っている。更に土橋の左右には堀切と竪堀がある。土橋を渡って少し進み、草木を掻き分けて左手(西側)に進むと見事な二重横堀が残っている。余談だが、その横堀をずっと進むと先程の土橋に辿り着く。

さて、先程の土橋を渡ってそのまま真っ直ぐ登山道を進むと再び土橋らしき遺構が出てくる。そこを渡ると鉄塔がある曲輪がある。恐らく其処が主郭だったのだろう。そこより奥は鷹尾山へ続く登山道で遺構は確認できなかった。

鷹尾城の周辺スポット情報

 会下山遺跡(寺社・史跡)

 芦屋神社(寺社・史跡)

 安楽寺(寺社・史跡)

 ガベノ城(その他)

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