左沢楯山城(あてらざわたてやまじょう)

左沢楯山城の基本情報

通称・別名

左沢城

所在地

山形県西村山郡大江町

旧国名

羽前国

分類・構造

山城

天守構造

築城主

大江(左沢)元時

築城年

正平年間(1346〜1370)

主な改修者

左沢氏、最上氏、酒井氏

主な城主

左沢氏、最上氏、酒井氏

廃城年

元和8年(1622)

遺構

曲輪、帯曲輪、堀切、切岸

指定文化財

国史跡(左沢楯山城跡)

再建造物

石碑、説明板

周辺の城

小漆川城(山形県西村山郡)[1.5km]
寒河江城(山形県寒河江市)[5.8km]
谷地城(山形県西村山郡)[9.8km]
寺津城(山形県天童市)[10.3km]
山野辺城(山形県東村山郡)[11.1km]
中野城(山形県山形市)[12.0km]
沼平館(山形県西村山郡)[12.2km]
高擶城(山形県天童市)[12.4km]
畑谷城(山形県東村山郡)[14.8km]
天童城(山形県天童市)[14.8km]

左沢楯山城の解説文



左沢楯山城(あてらざわたてやまじょう)は、出羽国村山郡寒河江荘左沢(山形県西村山郡大江町)にあった日本の城。城跡は国の史跡である[1]

歴史 

左沢(あてらざわ)は最上川の流れに臨み、五百川(いもかわ)渓谷を経て置賜地方と村山地方を結ぶ軍事上の要地であった。南方には鎌倉時代に築かれた富沢楯(大江匡朝築城)および対岸の伏熊楯(中山忠義築城:長崎中山氏の祖)があり、東には寒河江の平野が眺望できる楯山の上に左沢楯山城が築かれ左沢氏が入った。左沢氏初代元時は大江時茂の次男であり、時茂が南北朝の争乱に備えて白岩・柴橋・寒河江・溝延などに一族の子弟を配して守りを固めた際に、左沢に配置された。元時は応安元年/正平23年(1368年)最上氏との漆川の戦いで敗れ一族60数名と共に自害してしまうが、子孫は代々左沢楯山城を守る。

左沢氏から吉川宗家に養子として入った吉川政周が永正11年(1514年)に伊達氏との抗争で戦死して以後、左沢氏の系譜をたどることはできないが、天正2年(1574年)天正最上の乱で伊達側について立働く様子が見られる。天正12年(1584年)寒河江氏が最上氏により滅ぼされると最上氏の支配下にはいり[2]、慶長出羽合戦では直江兼続配下の分隊による攻撃を受けたようである(『伊達家治家記録』『最上合戦記』)。元和8年(1622年)最上氏が改易になると左沢藩主・酒井直次に引き継がれるが、寛永年間(1624年~1645年)小漆川(大江町左沢小漆川)に新城を築くまでその機能を果たした。

左沢楯山城跡は2009年(平成21年)2月12日に国の史跡に指定されている[3]

構造 

本丸、二の丸、三の丸および三の丸北高地からなり、東西1300メートル、南北600メートルに及ぶ。本丸には城館と寒河江八幡宮から勧進された八幡社があり、鬼門にあたる東北部には巨海院(こかいいん)が置かれた。二の丸頂上は千畳敷とよばれる平坦地になっており眺望がよい。三の丸は堀切により二の丸から切り離されており、堀切は左沢から寒河江・谷地・大石田へ通じる主要街道であった。三の丸南斜面および西端には寺社が配置され、現在でもその痕跡を見ることができる[4]

歴代城主 

左沢氏[5]
* 初代 左沢元時 - 蔵人弾正忠。大江氏親広流7代大江時茂の次男。左沢の守りに付くものの漆川の戦いで討死。
* 2代 氏政 - 左沢式部少輔。
* 3代 満広 - 五郎伊予守。
* 4代 時高 - 太郎二郎式部少輔。伊予守。法名月心。
* 5代 頼広 - 伊予守。法名大叟。
* 6代 政勝 - 式部少輔。法名花叟。
* 7代 満政 - 左沢彦二郎式部少輔。最上氏の侵攻を白岩氏・出羽吉川氏らと共に寒河江氏を援けて退ける。
* 8代 氏政 - 神九郎。烏帽子親を大宝寺氏説が務めたという。
* 9代 政周(出羽吉川氏へ入る) - 7代満政の弟。吉川八郎五郎兵部少輔。永正11年(1514年)最上氏と伊達氏の争いにおいて、最上氏に援軍に赴き討死。
以降不明
山形藩
* 長尾右衛門[6]
左沢藩
* 酒井直次

所在地 

  • 楯山公園 - 山形県西村山郡大江町2523
    • 楯山公園からの最上川の眺めが絶景とされ、1997年に最上川ビューポイントに選定。2002年には日本遊歩百選に選定されている[7]

アクセス 

  • JR左沢駅から徒歩25分
  • 寒河江SAから8.5キロメートル(車で20分)

その他 

巨海院は寒河江庄落衣の北、寺山の大門跡近くにあったという。左沢元時が左沢楯山城築城にあたり城中に移されたと考えられる[8]。現在の巨海院は酒井直次の新城建築の際現在地に移されたもので、その山門は慶安元年(1648年)新城から移築されたものである。

参考文献 

  • 寒河江市史編さん委員会 『寒河江市史 上巻』、1996
  • 寒河江市史編さん委員会 『寒河江市史 大江氏ならびに関係史料』、2001
  • 山形県教育委員会  『山形県中世城館遺跡調査報告書第2集(村山地区)』(http://sitereports.nabunken.go.jp)、1996 リンク先は全国遺跡報告総覧(奈良文化財研究所)
  • 大江町教育委員会 『左沢楯山城遺跡調査報告書』(http://sitereports.nabunken.go.jp/5776)、2000 リンク先は全国遺跡報告総覧(奈良文化財研究所)
  • 東京大学史料編纂所(http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/index-j.html)所蔵史料目録データベース 「最上義光分限帳」 色川三郎兵衛原蔵本

左沢楯山城の口コミ情報

2023年08月15日 伊豆守十郎
左沢楯山城

最上川が蛇行する場所がよく見える。天然の堀になってるのかなー

2023年05月03日 気分爽快信濃守
左沢楯山城



現在整備中のようで、寺屋敷方面は散策できませんでした。虻沢を挟んで八幡平と八幡座があり、城域はかなりの広さがあります。

①楯山公園からみた八幡座
②千畳敷との間の堀切
③鉄砲場から堀切を臨む
④土橋
⑤枡形っぽく見える
⑥八幡座を西から
⑦ゴホンマルと遠くに朝日連峰
⑧八幡座を東から

2023年04月04日 勿来彩乃s#s
左沢楯山城

朝日少年自然の家の裏手に日本一公園と言う名の公園が有り、そこから最上川を眺め悠久の時を感じてください。

2022年08月30日 RED副将軍
左沢楯山城



最上川の要衝を270年間支配し続けた左沢氏の巨大山城🏯

オススメ度 ★★★★⭐︎

南北朝時代の1300年代後半に南朝に属する大江氏一族の左沢元時によって、北朝方の斯波氏に備えるため築かれたと伝わります。
その後、左沢氏は9代続きますが、1514年の伊達氏と最上氏が争った長谷堂の戦いで9代左沢政周は最上氏に付くも討死します。
1584年、最上義光によって攻められ最上氏の支配となりました。
1622年に最上氏が改易され、酒井直次が左沢に入封。
1631年、小漆川の高台に新しく小漆川城を築城し、左沢楯山城は廃城となりました。

見所
主郭のある八幡座の切岸。
下草に覆われていたが大規模な郭群はかなりの巨大山城。
三の丸からの蛇行した最上川は絶景です✨

2021年10月03日 陸奥守仙臺むすび丸JUN
八幡座[左沢楯山城  寺社・史跡]



八幡座地区は戦国時代に増築された曲輪。

主郭と考えられ、この地区には、櫓跡と考えられる建物、二段下がったゴホンマルと称される郭には庇のついた掘立柱建跡が見つかっている。八幡座地区には素掘りの井戸跡が何か所か見つかっている。

八幡平地区から少し下った蛇沢からの道と合流してから登っていくとゴホンマルの郭を過ぎると八幡座に至る。八幡座からは尾根づたいに下っていくと戦国時代に増築された主郭の北東部に位置する寺屋敷地区に至る。寺屋敷地区では掘立柱建物・池状遺構などが見つかっている。
【参考文献】『東北の名城を歩く 南東北編』

※訪城時には、縄張図を持ち合わせていないうえに先に進むことが精一杯で、虎口や井戸跡などに気づかず😭

2021年10月03日 陸奥守仙臺むすび丸JUN
八幡平[左沢楯山城  遺構・復元物]

室町期に増築された曲輪。主郭から八幡神を移した場所と伝えられている。発掘調査によると、この地区には、掘立柱建物跡・塀跡が見つかっている。八幡座に次いで高いところで、防御施設と物見場所的な地区と考えられる。八幡平南斜面には数本の竪堀が築かれている。

この八幡平地区から八幡座へ行くには、急坂を下って土橋を通り、月山や盆地の眺望が広がる小規模な郭に至り、さらに少し下ると蛇沢からの道と合流してから八幡座方面に登っていくことになる。
【参考文献】『東北の名城を歩く 南東北編』

※訪城時には、土橋の存在には気づかず😭

2021年10月03日 陸奥守仙臺むすび丸JUN
楯山公園(日本一公園)[左沢楯山城  その他]



思いやり駐車場やトイレから歩くとすぐ楯山公園がある。三の丸跡が公園として整備されている。幟やベンチ、四阿が置かれている。左沢線の車内からかろうじて幟が確認できた。
ここから南側一帯に広がる城下の最上川の眺めがよいため、日本一公園と呼ばれている所以。

左沢線のトンネルが通っている鉄砲場や千畳敷に向かうルートの起点であるが、2021年10月初旬に訪問したときは三の丸跡から鉄砲場や堀切、千畳敷に至る園路は工事中のため立入できない状態になっていた。

2021年10月02日 陸奥守仙臺むすび丸JUN
大江町交流ステーション[左沢楯山城  関連施設]



JR左沢線の終着駅の左沢駅に隣接している観光ステーション。郷土芸能の山車が展示されていたり、お土産が販売されていたり、レンタサイクル受付(電動アシスト自転車)の受付場所にもなっています。電動アシスト自転車のレンタサイクルの貸出は無料で基本3時間(バッテリーの持ち時間の関係のようです)で、身分証明書を提示して貸出簿に氏名、住所、電話番号などを記載するようになっていました。

過去の口コミに左沢楯山城の縄張図をいただけるという書き込みがありましたが、本日確認したところ、カラー版パンフレットの在庫はなく、コピーされた白黒の縄張図は窓口ではないところにしまっているようで職員さんが探し出して何とかいただけました。
職員はお一人で対応されているようです。カラー版のパンフレットをご所望の方は、大江町役場に問い合わせをしてみてください。

2021年10月01日 ファン掃部助トム治郎
左沢楯山城



駅から車道をあがっていきましたが線路脇のほうから山道を登ることもできます。主郭には展望台手前の登っていく道を道なりにいくと7分くらいでたどり着きます。街を歩くとかつて最上川の舟運で栄えたことが容易に想像できます。

2021年08月27日 なるちゃん兵部卿
左沢楯山城



三ノ丸まで車で行けますが、駐車スペースは、身障者用の一台分で、道も狭いですので、幹線道路沿いの駐車場にとめたほうがよいかもしれません。最上川を眼下に見下ろし絶景です。

2021年08月16日 Nabeppu左馬頭
左沢楯山城



訪れる前に左沢駅に併設されている大江町交流ステーションに寄って、縄張り図を頂くと良いでしょう。なぜなら、三の丸に案内板が有りますが、損傷が酷く、確認し難いです。また、郭には案内板や説明板も無いので分かり難いです。郭に行く為には、三の丸のトイレ側に昇り口があり八幡平(郭の一つ)に繋がっています。そこから、更に登り進むと八幡座(主郭)に着きます。三の丸からは、徒歩で10分も掛からず到着出来るでしょう。三の丸を郭に進む反対側に行くと、最上川の絶景が眺められます。

2021年02月21日 桜井太政大臣静龍
左沢楯山城

城ちかく、1Mちかい雪にて通行止めが複数箇所あり、又、除雪してない道で行き止まりもあり、車ちかづけず。季節…冬はあかんかもなあ。

2019年05月05日 森 可成
左沢楯山城



案内看板付近から、八幡座(主郭)方向を臨む。
案内看板の地形図と照合すると、遺構の状態は、かなり良好と思われる。
車で来る場合、国道458沿いの駐車場から徒歩が基本。
公園にもあるにはあるが…一台分(車椅子等、体の不自由な方優先駐車場)のみ。
この辺は、国道沿いの駐車場に注意書きがあるので確認を。
尚、少年自然の家が隣接しており、一部敷地が混在している(立ち入りには手続きが要る)ので、うっかり立ち入らない様、コチラも要注意で。
余談だけれど…タイミングが噛み合えば、案内看板から少し登った所に在る八幡平で、ソメイヨシノや八重桜が、花を咲かせて出迎えてくれるかも知れない…。

2012年07月21日 【隠者】史学会帰新参
左沢楯山城

駅併設の交流センターで縄張り図入りのパンフレットがもらえる。城跡までは徒歩なら駅から線路沿いに東に歩き、線路の下をくぐり、北東に歩くと、公園入り口がある。少しわかりにくいが徒歩だとこれが最短で行ける。


2012年05月26日 山野辺左京亮義忠
左沢楯山城

本日、別のイベントで登城してまいりました。楯山公園までは車で乗り入れ出来ます。私は自然の家から歩きましたが

2010年09月06日 大膳大夫マイリバ
左沢楯山城

国指定史跡となり、解説板も新しくなりました
その解説板が設置されている八幡平(三の丸)の楯山公園から八幡座(本丸)方面を眺めると、かなり距離があるように見えますが、実際は10分弱で到達できます
途中、八幡平(三の丸)方面を眺めると曲輪群の遺構がよく残っているのがわかりますが、肝心の八幡座には石碑等は設置されておらず、「ここだよね?」というカンジ今後の整備に大いに期待したいところです♪

左沢楯山城の周辺スポット情報

 八幡平(遺構・復元物)

 左沢楯山城三の丸跡標柱(碑・説明板)

 八幡座(寺社・史跡)

 トイレ(トイレ)

 楯山公園思いやり駐車場(駐車場)

 駐車場(駐車場)

 大江町交流ステーション(関連施設)

 楯山公園(日本一公園)(その他)

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