松尾城(旧)

松尾城(旧)([千葉城  周辺城郭])

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松尾城(旧)の口コミ情報

2024年06月07日 龍馬太閤【備中の麒麟児】


佐賀県の小城市にある松尾城(旧)♪光勝寺背後の裏山に城郭は立地します♪南北の斜面は鋭く、攻め手を寄せ付けない天然の要塞は、肥前千葉氏である千葉胤基が明徳年間(1390年〜1394年)頃に居城とした城です♪因みに、北側にある松尾城(新)とは別物の城郭となります(過去口コミ済)

千葉氏の始祖である千葉常胤は、鎌倉幕府開府の功績によって、源頼朝から肥前国小城郡の地頭に任ぜられました♪その後この地は、肥前千葉氏の領地となっています♪下総国の名門である千葉家です♪
元寇襲来の際に、九州の防衛の為に下総国より九州に派遣されて以降、肥前国に土着したのが千葉宗胤です♪宗胤を祖として、ここから肥前千葉氏が始まります♪

この松尾城(旧)を居城とした千葉胤基は、明徳年頃(1390年頃)に千葉胤泰から家督を継いでいます♪往時の九州の流れとしては、肥後の八代に御所を置いた南朝方の征西大将軍・懐良親王と共に、良成親王が自ら剣を振るい陣頭に立ち勇戦し、北朝方に抵抗したという背景があります。そんな中…明徳2年(1391年)九州探題である今川了俊は、肥後の八代攻めを決行。千葉胤基もこの軍勢に加わったと云われています。この戦いで八代御所は陥落。。大将軍・良成親王は降伏しています。。

翌、明徳3年(1392年)南北朝の争いは南朝方の事実上の降伏という形で終結し、南朝の後亀山天皇が京都へ帰還しています。北朝の後小松天皇が、南北合一の天皇という形で幕を閉じました…。。が、しかし各地では、まだまだ南朝方の残党が残り、九州では明徳4年(1393年)良成親王が阿蘇惟政と共に、南朝の再興を謀り軍を起こします。不安定な情勢の中で千葉胤基は小城晴気城の東側に松尾城を築き、居城としました。肥前国での千葉胤基の勢力は強く、領地を守りました♪

応永9年(1402年)には佐賀郡高木荘内の田六町、佐賀郡巨瀬荘小太郎丸田地二町を、佐賀郡久池井の玉林寺に寄進しています♪

応永11年(1404年)千葉胤基の家臣・鑰尼刑部大輔泰高は、少弐貞頼に通じて、主君である千葉胤基に反抗します。千葉胤基は九州探題・渋川満頼と今川国秋と連携し、少弐貞頼・鑰尼泰高を攻めています。同年、少弐・鑰尼軍を、松尾城の北東にある佐賀郡川上の戦いで破っています。応永24年(1417年)に55歳で亡くなったと云われています。余り歴史が残っていなくて、不明な点が多い千葉胤基でした。

因みに千葉胤基に刃向かった鑰尼刑部大輔泰高ですが、千葉氏の被官として名の見える有力氏族です。同時に宮司職の家柄である高木氏や庶流の龍造寺氏ら同族と共に、肥前一宮である河上社の執行機構にも深く関わっていた一族となります。応永7年(1400年)河上社遷宮式において、『千葉介代』として『座主権律師増鑁、大宮司鑰尼信濃守季高』が祭礼を差配し、『於保氏、成道寺氏、龍造寺氏、庫河氏、晴気氏、佐留志氏、山口氏、白石氏、藤木氏、宰府朝井氏、白石氏、多比良氏、高来有馬氏、由江氏、西郷氏、高木氏』など肥前武士が動員され、流鏑馬が奉納されています。今でも佐賀の地名に残っている、武将達の名前です♪

さて…その後の戦国時代、肥前千葉氏は繁栄と衰退を繰り返していきますが…室町時代中期の応仁の乱の余波と、家督争いにより弱体化。祇園山城(千葉城)と晴気城と、両家は完全に2つに分裂し、東千葉氏と西千葉氏と雌雄を決しました。祇園山城に拠った惣領家の東千葉氏は大内氏と結び、晴気城の庶家西千葉氏は少弐氏と結び、互いに争っています。
戦国時代後半は、龍造寺家の家臣として、更には江戸時代には鍋島家の家臣として、鍋島姓を賜っています♪

城郭は光勝寺の背後。東西に伸びた尾根上に立地します♪出丸と思われる東の削平地までは道が付いているので、比較的簡単に行けます♪途中に五輪塔の群生あり♪その上部を見上げると、堀切が一条残ります♪堀切は竪堀となって、鋭く斜面を降ります♪堀切は雨などにより、より土砂を削り取り、岩盤が剥き出していました♪西に向かって行くと、2段の削平地がありコレが副郭か?更に西に進むとピークである主郭へと続きます♪大きくは3つの郭で形成か?主郭と副郭、出丸。主郭の西端には土壇があり、櫓台かと思われます♪城郭の南側は城の辻という地名を残しています♪千葉氏建立の光勝寺が居館だったのでしょう♪
鋭い場所に城郭を造った、肥前千葉氏の警戒感が垣間見えます♪

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