熊坂長範居址

熊坂長範居址([割ヶ嶽城  周辺城郭])

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熊坂長範居址の口コミ情報

2024年06月25日 内記かずりヾ(・ε・。)


熊坂長範居址は割ヶ嶽城の北西約5.6km、関川南岸(右岸)、標高767.5mの長範山山頂部に立地したとの伝承が残る屋敷です。平地にある事を前提にして居館や屋敷には比高を示した事は一度も無いが、北麓の熊坂集落中心部からの比高は235m位ある。長範山は信越国境を流れる関川に面する一山、関川を渡ればそのまま越後に入る。

行き方はGoogleマップに位置登録されている「長範山」を目標に設定して下さい。前述のとおり山頂部が該地となる。国道18号から山頂部の脇を抜けて熊坂集落に至る山道が分岐しているので車で横付け出来る。

築かれた年代は不明、お住まいになられていたのは熊坂長範です。但し、問題があり過ぎる。「信濃の山城と館8、水内・高井・補遺編」に掲載があるが、信濃のお城の神は「長野県町村誌」の記述のみを頼りに調査したようだ。

「長野県町村誌」には、「熊坂長範居址」として、「本村(熊坂村)南の方十二町(約1296m)長範山絶頂にあり。長範清水、長範石等あり。久安、嘉応年間(西暦1145年〜1170年)頃、長範は越後国頚城郡曽根田村の産なり、其父は京都辺の人なり、姓名不詳。流浪して越後国曽根田村に来り住す。」とある。又、別に「長範山」として、「本村(野尻村)北の方にあり。東西二町、南北三町、熊坂四郎長範の古址なりと云伝ふ。長範は素信州の名族にして、保元の役左馬頭義朝に従ひ、根井大弥太行親等と共に二十六騎中なり。源氏敗れ平氏大権を握るにあたり、長範平氏の粟を食むを楽しまず。遂に剽掠をなすと云ふ。」とある…

まず、熊坂長範は、室町時代後期に成立した幸若舞の「烏帽子折」、謡曲の「烏帽子折」、「熊坂」等に登場する伝説上の大盗賊、従って該地を実在した物件として扱う事が極めて困難だ。ちなみに同名に纏わる伝説は全国各地に数多く残っている。

保元元年(西暦1156年)七月の「保元の乱」において、後白河天皇方となった源義朝に従う信濃武士十一騎の中に熊坂四郎の名が見える。熊坂氏は律令制下における東山道支道沿いの熊坂を本拠地とし、野尻湖周辺の高原地帯を牧野として開発した在地土豪だと推測されている。

町村誌が言う、「保元の乱」後に熊坂四郎が剽掠(盗賊)に身を落としたとする伝承だが、敢えて想像を逞しくするならば、乱後に没官した同名が熊坂に戻り、古官道を歩む平氏の官人等を一党を以て襲っていた…等の事実はあるのかもしれない。何れにせよ該地は実在する熊坂四郎と結び付けられた、信濃における熊坂長範伝説地の一つに過ぎないと言えそうだ。

単純に熊坂氏、熊坂四郎の屋敷地とした場合にも問題が残る。熊坂は東山道支道、最大の難所の一つであり、深雪地帯でもある同地に聳える長範山の山頂部に屋敷地を占地する事は理解に苦しむ。例え世に憚る盗賊だったとしてもだ。

屋敷の現況は…山中の雑木林、謂わゆる藪となっている。もはや最初からやる気が無かったので真面目に探索する気にもなれなかった…「それなりに平らな場所なのね…」等と呟いて30秒で終了〜さっさと陣払い、後悔の念は微塵も無い。

文永七年(西暦1271年)、善光寺に参籠した時宗の僧、一遍真智は次のように書いている。

「越後国府より関の山熊坂にかかりて信州へ趣給、山路に日暮ぬれば苔を払て露に臥す。」

…日が暮れて山越えが叶わず、長範山での野宿をせざるを得なかったのだろう。往古の熊坂は行人にとって大変な山道であった訳だ。

※ちなみに付近にある「長範の玉石」には長範が隠匿した財宝が埋まっているとの伝説が残っている。お宝ハンターは是非…

※写真①が対岸の越後側、関川関所付近から撮影した近景っす。手前に写る橋梁は関川に架かる一之橋、渡れば信濃だ。

※写真⑤は該地付近に建つ長範無線中継所の電波塔っす。

※写真⑥は国道18号上で佇むニホンカモシカっす。好奇心旺盛、余程近付かないと逃げない動物だ。

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