矢立城

矢立城([真田氏館  周辺城郭])

真田氏館 に投稿された周辺スポット(カテゴリー:周辺城郭)、「矢立城」の地図・口コミがご覧頂けます。

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矢立城の口コミ情報

2024年03月29日 内記かずりヾ(・ε・。)


矢立城は真田氏館の南南東約5.6km、千曲川北岸(右岸)、北方山塊裾野上、標高877mの山稜山頂から南西へ伸びる尾根上段上、標高約836m地点の平場を中心に立地する要害です。南麓の長野県道4号、真田東部線からの比高は160m位でしょか。

行き方はGoogleマップに位置登録されているのでダイレクト設定して下さい…なんだけど、北東側に建つ「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」を目標に設定すれば徒歩で登る比高をマイナスにする事が出来る。駐車場所にも困らない訳なんだけど、シーズン中は恥ずかしい思いをするかもしれない。

築城年代は不明、築城者は祢津氏と推測されている。同氏は滋野姓、海野氏、望月氏と並んで滋野三家と呼ばれる嫡流家の一氏であり、「根津」、「禰津」とも書く。祢津氏は調べていくと非常に面白い一族なんだけど、長くなるので詳細は別の機会に譲る。ちなみに最近の研究では真田氏を祢津氏の分流とする説が有力だ。

以前にも口コミしたんだけど、位置に微妙な誤りがあって削除してしまった。今回は再訪に併せての口コミとなる。冷静に考えてみると結構凄い山城、おいらは3回目の訪問となった。

このお城を一般から遠ざけているのはその藪度にある。夏場だと魅力が半減するし探索も苦労するだろう。特にちくちく、とげとげした草木が広範囲に群生してるんで油断していると痛い目に会う。コケそうになったおいらが握り締めたのは凶悪なタラノキだった…今回の写真は血塗れのコンデジ君で撮影したものが大半を占めている。そう、BLOOD, SWEAT AND TEARSな写真達なのだっ!

…お城は前述のとおり結構凄いんすよ、縄張は概ねで4つの郭で構成され、帯状の腰郭が城域下段を巡っている。石塁の伴う横入りの虎口、主郭に付く大土塁、岩盤層と巨石が多数露出する理解不能なぐらいにごちゃごちゃした土橋付きの大堀切…そう、キャラ立ちした山城なんすわ。特においらが凄いと思うのは各堀切から落とし込まれる竪堀の部分、西側斜面においての幅と深さによるボトム感なんて他では味わう事が難しい代物、それこそハーフパイプっすわ。又、山城では消失し易い竪土塁もしっかり残っていて、主郭の大土塁から落ちるそれは竪堀に並走しながら腰郭を同時にカバー、もはや感動でしかない。

石積みも多数が散見される。おいらは土塁の一部と主郭の切岸に付くもの以外のそれに懐疑的だったけど、登城を重ねる毎に全て往時のものだったんじゃないかとさえ思えてきた。当然、このお城にも後世の部分的改変がある訳だけど、判断が難しい代物(同様の事は祢津氏の本城とされる同じ真田氏館のリア攻めマップにある祢津下の城にも言える。)なのでこれ以上の言及は避ける事にする。

どの山城でもそうだけど冬場の訪問を推奨したい。又、南麓の県道側からも登れるけど、無傷では済まないぐらいの藪が待ち構えているし、縄張図以上のものは探し出す事が出来ない。東信における優れた良城の一つ、素晴らし過ぎる祢津下の城と併せて訪ねるのがよいと思う。祢津氏の竪堀はガチでマッシブだ。

※真田氏を祢津氏の分流とする説が有力〜真田氏の文書上の初見は「大塔物語」、応永七年(西暦1400年)の「大塔合戦」の際に、「大塔の古砦」の大手門を攻める祢津越中守遠光の麾下に「実田」と見えるのが同氏と比定され、惣領制を主体とする当時の参陣をもってすれば、同氏を祢津氏の一族とするのが妥当だと考えるもの。同勢は祢津氏一門に加えて、浦野、桜井、別府、曲尾、横尾等の各氏、小県郡の在地土豪層が中核であり、「実田」が「真田」である事はほぼ間違い無いんじゃないかと個人的には考えている。

※そういえば、祢津下の城訪問後にお会いした祢津集落のお爺さんの話によると、祖父から聞いた事として、明治時代の初頭、松代藩藩主、真田の殿様が同城をわざわざ訪ねに来た事があったんだそう。その際に集落に何か恩徳を施したそうなんだけど、その内容までは聞き取る事が出来なかった。お爺さん、お茶とお土産ありがとう。再び訪ねる事にしよう。

※最近のかずりが連絡先交換、LINE交換するお相手は80歳代の方が圧倒的に多い。ちなみに最高齢は99歳…おいらは何処に進んで行こうとしているのか…行ける所まで行ってみる。

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