川窪氏邸(川久保新十郎邸)

川窪氏邸(川久保新十郎邸)([富士見城  周辺城郭])

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川窪氏邸(川久保新十郎邸)の口コミ情報

2026年07月15日 内記かずりヾ(・ε・。)


川窪氏邸(川久保新十郎邸)は富士見城の西北西約2.8km、大石沢川東岸(左岸)、標高約763mの段丘台地上平場に立地した屋敷です。

行き方は…Googleマップに位置登録されている「直井板金」を当座の目標に設定して下さい。後はリア攻めマップを参照して屋敷地を特定しよう。概ねでこの板金屋さんの西側の一帯がそれだ。車は路駐でOK♪そんなに手間暇取らせない物件だ。

築かれた年代は不明、お住まいになられていたのは川窪氏(川久保新十郎)です。「小諸市誌」によれば、美濃の斎藤氏の家臣だった川久保八郎なる者が牢人して該地の井子村に辿り着き「一の城戸」に住したそうで、次いで安則、その嫡長が川久保新十郎正信を名乗り、専ら武芸の道に励んでいたらしい。又、新十郎正信は武田氏に出仕したともあるが、実際には何某かの寄騎等であったろうし、出仕したからには井子村内に知行地を持つ少なくとも地侍レベルの武士であった事が推測出来る。

前述した新十郎正信は、後に真言宗系の修験堂を開き、堂は川窪山竜学院と称したんだそう。嫡男が二代を継ぎ、爾来九代に亘って続いだとあるから、明治五年(西暦1872年)の修験宗廃止令までは存続していたのかもしれない。但し、堂の建っていた場所が全くの不明、屋敷地と並存していたのかさえ判らなくなっている。

近世以降、江戸時代にも屋敷地であった訳だが、既に同時代には当然ながら武士の居する場所では無くなっている。本来なら門外漢としたいところなのだが、「信濃の山城と館1、佐久編」に掲載があり、「小諸市内遺跡詳細分布地図」にも掲載があるので訪ねてみた。

屋敷の現況は…畑地、一般住宅とその敷地等となっている。信濃のお城の神は「外屋敷」の小名が残る小林さん宅の敷地の一部と、舗装道路を挟んだその南側の畑地を屋敷地と推定しており、この点に関しては遺跡詳細分布地図も同様である。但し、この畑地が小林さん宅の東隣りの井出さんの所有である事等から、敷地範囲を井出さん宅を含んで更に東側に拡大してもよいのではないかとも言っている。城郭?遺構は完全消滅、舗装道路によって二所に分断されている事もあり往時を想像する事がなかなか難しいのだが、少なくとも古道に沿い段丘台地縁に面していた事だけは判る。

明治元年(西暦1868年)に発布された神仏判然令の主旨は、神仏習合の慣習を禁止して神と仏とを明確に区別させる事にあったんだけど、発布に伴う拡大解釈によって廃仏毀釈の運動を全国に巻き起こした。今でも路端の石仏の首が無いのを各地の各所で見掛けるんだけどこれもこの運動の結果である。おいらの実家の菩提寺でも、様々な宗派の御本尊が庫裏に納められているらしいんだけど、廃仏毀釈によって焼かれる事等を恐れて、地域の有力者等が檀那を務める寺院を選んで集められた事がその理由なんだそう。

前述した修験宗廃止令は、神仏判然令に続いて発布された明確な禁止令であり、元々が山岳信仰と仏教等が習合した神仏混淆を是とする修験道は徹底的に排斥される事になる。川窪山竜学院は真言宗系と書かれる事から真言宗当山派に属していたとみられるが、発布に伴い真言宗に強制的に統合されたと考えられる。

結果的には様々な矛盾と限界を露呈した悪令であったと断じるが、この時期における日本の文化的損失は莫大なものである。多くの物が失われ、多くの事が不明となってしまったのだ。明治維新は文明開化の良い側面ばかりが強調されるが、各地の歴史にとってはマイナスでしかなかった事を忘れてはならない。愚かな熱狂に警鐘を鳴らそう。

※悪令〜日本全国において多くの過去帳が失われている。これを読んでるめぐら〜さんにとっても決して無関係ではない。自らの先祖を辿る事は出来なくなってしまった。

※写真④が文中にある「一の城戸」の辺りっす。「木戸」と書かれないのが気になるんだけど、かつての古道は屋敷地の下段に沿っていた。

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