日向城
日向城([伴野城 周辺城郭])
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日向城の口コミ情報
2021年09月21日 内記かずりヾ(・ε・。)
日向城は伴野城の西方約4.3km、東北へ延びる山塊尾根上、標高約775mのピークの一つに主郭が存します。北東麓からの比高は60m位でしょか。
築城年代、築城者は不明です。この地方のお城としては別格とも言える縄張を持っていますが、それ故か武田氏の改修を受けている等と推測されたりもします。が、東信濃に勢力を伸張させた武田氏がこのお城を真面目に改修する意思等、到底持ち得ない(佐久往還から大きく外れる。)でしょう。
お城の存する佐久市根岸は佐久郡南部の大半を占める伴野荘と呼ばれる荘園の一部であったと推測され、甲斐源氏小笠原氏の祖、小笠原長清の六男、小笠原時長が同荘の地頭職を得て在地、荘名を名乗り伴野氏を称しました。国人領主化した同氏は室町時代には前山伴野氏と野沢伴野氏に分裂しますが、文明年間以降、近隣の大井氏と所領を巡って度々干戈を交えており、お城は既にこの時期には機能していたと考える事も可能です。武田氏被官(領三千五百貫文、八十騎、佐久衆の筆頭であり、特例を受ける等厚遇された。)となっていた永禄七年(西暦1564年)に前山伴野氏当主信直は蘆田氏に横領されたこの地域の知行を蘆田信守を相手に訴訟を提起、代官として相論の場に赴いた一門の伴野貞長はこれを勝訴に導きました。
行き方はGoogleマップに位置登録されているのでダイレクト設定して下さい。山塊尾根端部北東側に判り難いですが登城路が付いてます。
お城は大変素晴らしいです。主郭は高土塁付き、馬蹄形の腰郭の中に島のように存し、腰郭の削平具合と相まってめりはりが効いてます。主郭西側山側背後は二重堀切1条を含む堀切4条で尾根をぶった斬り。特に主郭から1条目と2条目のものは堀切間に二段程の小郭があるような造り、主郭の腰郭と土塁で巧みに守り手を分け合い感動もの。このお城の堀切+竪堀の美しさは信濃屈指です!斜面に連なる竪堀の列線は宝物でしょう。又、堀切間の郭の造り方なんかに工夫が見られたりもします。
佐久のお城の現況ってプアーなものが多いですが、崖端城に大変な土木量で空堀を掘る技術は凄いと思います。武田氏による改修なんて無くても佐久の国人領主ならこのお城を成立させる事は容易でしょう。自分の好きなお城ベスト10を選ぶとしたら余裕でランク入りします。伴野城に来る事がありましたら皆様も是非訪ねてみて下さいまし。