番匠屋屋敷

番匠屋屋敷([妻籠城  周辺城郭])

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番匠屋屋敷の口コミ情報

2023年10月06日 内記かずりヾ(・ε・。)


番匠屋屋敷は妻籠城の南東約0.5km、東方山塊から続く南北を堀木沢と与の洞(堀切り沢)に挟まれた標高約466mの台地緩斜面上平場に立地したとの伝承が残る屋敷です。

行き方は…リア攻めマップを参照して下さい。該地の上段東側には現在町道が南北に走っているが、この道筋の一部には木材搬出の用に供する蘭(あららぎ)森林鉄道が通っていたんだそう。鉄道は此処で与の洞の谷筋を渡る。

築かれた年代は不明、お住まいになられていた方の姓名が伝わらない。屋敷の主は慶長六年(西暦1601年)、妻籠宿の宿寄に従い妻籠中町にお引越し、名称にある「番匠屋」は屋号だがこの際のものだろう。妻籠宿の中心地である中町に屋敷を構える事が出来たのは妻籠一帯の有力者に限られたであろう事は想像に難くない。又、「番匠屋」の屋号から姓名を簡単に特定出来るとも考えていたが手持ちの史料には見当たらなかった。土地の人に聞き込みした方が早いかもしれない。後に妻籠宿本陣、問屋を務めた島崎氏の郎党だろうか。

天正十四年(西暦1586年)三月四日、関白秀吉と誼みを通じるために上洛した小笠原氏被官、倉科七郎左衛門朝軌はその帰途、馬籠下り谷で地侍衆に襲われ落命する。朝軌の一行、約三十人は全滅しているが、この人数を全滅させるだけの地侍衆の規模も推して量る事が出来るだろう。木曽氏の政治的な意図があったようにも思えず、純粋な金品目的と言っても過言では無い(自分が聞き込みした方の伝承もそれを裏付ける…「…あの家は〜を奪ったけど、我が家は何にも貰えなかった…」)。三留野、与川から馬籠に至る道筋の地侍の殆どが関与しているようにも思う。首謀者は人を集めている。これを知らない筈が無い。ちなみにおいらはこの話しこそが当時の地侍(武士)の本質を表していると思っている。泥臭く強かで悪事をも厭わない。豪勇で知られる森長可が川中島から退去する際、木曽谷の通行に慎重になったのも頷ける話だ。

襲われた倉科七郎左衛門朝軌は安曇郡の人で武田氏に従って同郡に来住したとされる。倉科姓を名乗っているんで気になったんだけど、埴科郡倉科荘(郷)を本貫地とした倉科氏(村上氏の一族である。)との関係性が指摘出来そうだ。ちなみに屋代城のリア攻めマップにある鷲尾城は同氏の要害とされる変態城、マニアが泣いて喜ぶ一級品なんで興味を持ったら是非訪ねてみて下さいまし。

話が脱線…戦国時代の倉科氏関係史料を漁ってみると以下のとおりとなる。

天正七年(西暦1579年)四月廿八日、倉科七郎左衛門朝軌宛仁科盛信宛行状

天正八年(西暦1580年)四月廿日、倉科七郎左衛門朝軌宛武田勝頼安堵状

天正十年(西暦1582年)四月七日、倉科七郎左衛門朝軌宛木曽義昌宛行安堵状

天正十年(西暦1582年)拾月十日、倉科七郎左衛門朝軌宛小笠原貞慶宛行状

天正十四年(西暦1584年)三月吉日、倉科方後家宛溝口美作守(貞秀)書状

天正十四年(西暦1584年)五月十日、倉科盛軌宛小笠原貞慶黒印宛行状

…以前に川中島周辺一帯の標柱を作成している方にお話しを聞いたんだけど、倉科氏は武田氏によって倉科郷を逐われ安曇郡に逃れた者もあったんだそう。後に同氏は時代不明なるも倉科郷に還住する者もあったようだが、これを記念した善光寺住職の筆による石碑が建てられているとも聞いた(未見、今度探してみる。)。考察するに倉科氏は安曇郡へ逃れた後、仁科氏(武田氏)に尽力(西濱…越後での活動が評価されている。)した功により同地で復し、その後は安曇郡の支配層に従う事で武家としての家名を存続させたように思う。主題と脱線する事甚だしいが、ひょんな事から話に辻褄が合うようになったので此処に書き留めて置く。

あ、忘れてた。要害地だけど屋敷の現況は耕作地、ただの段々畑っす。妻籠宿の後背地にして最上段、眺めは良好っす。

※木曽郡南木曽町下り谷には倉科七郎左衛門朝軌の霊を慰める「倉科祖霊社」が鎮座する。未見なんで今度行ってみる。

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