巾上の十郎右衛門屋敷(大巾・堀屋敷)

巾上の十郎右衛門屋敷(大巾・堀屋敷)([中塔城  周辺城郭])

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巾上の十郎右衛門屋敷(大巾・堀屋敷)の口コミ情報

2025年09月09日 内記かすりヾ(・ε・。)


巾上の十郎右衛門屋敷(大巾・堀屋敷)は中塔城の北東約9.2km、標高約560mの段丘台地東縁上平場に立地した屋敷です。「巾上」は松本駅のアルプス口西側の一帯にも見られる地名だが、此処では段丘台地上の一段高い場所を意味しているんだろう。

行き方はGoogleマップに位置登録されている「SHOKUDO-CAFE ちゃぶだい」…を目標に設定して下さい。後はリア攻めマップを参照して該地を特定しよう。車は路肩に捨てられる。

該地の堀金郷は、明鷹十年(西暦1501年)辛酉二月十一日、「三宮穂高社御造宮定日記」に、「御鳥居一具他 堀金所役、五月祝奉行」とあるのが文書上の初見、天正六年(西暦1578年)戉寅二月七日の「下諏訪春宮造宮帳」には、「一 春宮瑞籬八間造宮領 矢原之庄内田多井郷」として、「同(去壬申取所) 合壱貫四百文 堀金代官(米倉)丹後守 同人(取手 諏方勘解由左衛門尉)」とあり、下社側では堀金を矢原之庄内田多井郷に属する一村とする認識がある。又、天正七年(西暦1579年)己卯正月廿日の「下宮春宮造宮帳」も同様の認識であり、「正物 壱貫四百文 代官堀金之(米倉)丹後 此外四百 手師小祝」とあり、玉垣八間を他の矢原庄内田多井郷の諸村と共に負担している。

築かれた年代は不明、お住まいになられていたのは(黒岩)十郎右衛門です。ちなみに屋敷地は現在も黒岩家の所有であり、舗装道路を挟んだ東側の段丘崖縁には同家の墓所がある。

伊勢内宮御師、宇治久家が、天正九年(西暦1581年)に記した「信濃国道者之御祓くばり日記」の「にしなの分」には、「ほりかね殿出木(来)候ハ々にしなめうにして御座候、のし五十、ちゃ十 十郎(右)衛門殿しそく ちゃ五つ (米倉)中使たんこ(丹後)殿 ちゃ 三つ」とあり、「十郎衛門殿しそく」が、久家から茶五つの土産を配られている事が判る。父の十郎右衞門に配られなかった点が気になるが、土産の品目、量からすれば、黒岩氏は「ほりかね殿」の被官であったのだろう。

居館の現況は…田地、空地、雑木林、一般住宅とその敷地等となっている。改変著しく旧態は見ないが城郭遺構として土塁の残欠が数箇所に点在している。該地は「大巾」、もしくは「十郎右衞門屋敷」と呼ばれていた場所であり、南辺には「くね林」、「竹原」等の小名がかつて残っていた。又、屋敷地の南辺には、段丘崖下の「巾下」を灌漑する中沢が東流し、下堀金の「古町」の南側、中世には存在した「二日市場」を経て烏川入会山へと至る「烏川北山道」が東西に通っていた。道押さえとしても、水番所としても武士が居する場所の適地であり、事実、「天明元年(西暦1781年)下堀金村御用留書」によれば、(黒岩重右衛門の)屋敷地には水車(小)屋が建てられていた事が判っている。

堀金には、岩原の「内がいと」、「北海渡」、「源次郎がいと」、上堀金の「小林がいと」、下堀金の「内垣内」等に見られるように中世の屋敷跡等を示唆する小名が数多く残っている。概ねは百姓屋敷であったと推測されているが、該地の北北西約0.5kmに位置する、下堀金の「内垣内」は、埴科郡平林を発祥の地とする滋野姓平林氏が更級郡布施に移り住み、布施氏を称した後に当地に来住して居館した場所だと伝わる。

調べれば調べる程に沼に嵌る。楽しくもあるんだけど終わりが無いや…地方史は謎の連続であり、確実な史料が無い以上、はっきりとさせる事は常に難しいんだけど、その反面、特に地名等(小字、小名等)に関しては実に細かく伝えられている事が多い。数百年前に存在した城館等の場所が現在でもある程度は推定出来るのだ。日本の歴史て本当に深淵な世界だと思う。ヒントを与えてくれる名も無き故人等には感謝の気持ちしかない。

※安曇野市が発行する「安曇野の屋敷林」の内、「3-4下堀 河岸段丘上の屋敷林」の項に掲載がある。ちなみにおいらはこの冊子が大好き。ネットでダウンロード出来るので興味があったら是非見てね。

※「二日市場」〜「◯日市場」は全国何処にでも見られる地名だが、毎月◯の付く日に市場が開かれていた場所等を示唆する地名だ。

※南辺には「くね林」、「竹原」〜「くね」は竹等で編んだ生垣等を意味する。「竹原」は矢竹の群生地、もしくは「館原」の転化であろうか。伝えられた小名から生垣のあった場所まで判る。日本て凄い国だと改めて実感する。

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