大和合の御殿

大和合の御殿([山家城  周辺城郭])

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大和合の御殿の口コミ情報

2023年12月15日 内記かずりヾ(・ε・。)


大和合の御殿は山家城の南南東約2.3km、薄川(すすきがわ)南岸(左岸)、標高約970mの河岸段丘台地緩斜面上平場に立地した屋敷です。該地は山辺の谷筋中にあり、現在の長野県道67号、松本和田線を東行すれば扉峠に至り、扉峠から南行すれば和田峠を経て諏訪郡下諏訪町に至る。道筋は往古から存在し諏訪郡と筑摩郡を巻きながら山越えで結んでいるが、集落も見当たらず軍勢の通過(記録が探し出せない。)も簡単には許さない厳しい道のりだったと考える。

行き方は…Googleマップに位置登録されている北方の「大和合神社」をざっくりとした目標に設定して下さい。後は…リア攻めマップを参照しましょう。周辺に目標となるものがありまてん…ちなみに松本市の城館としてはたぶん最東端に位置している。

築かれた年代、お住まいになられていた方は不明、「信濃の山城と館4、松本・塩尻・筑摩編」に掲載がある。史料、伝承等無く、どうやら信濃のお城の神は該地と該地周辺に残る「御殿」、「御殿入」、「御殿沢」の地字から該地を調査したようだ。近在の方への聞き込みもはっきりしなかったようで、「昔上田の方から殿様が来て住みついた。」て話と「松本の殿様が鷹狩りの時に休憩した所」ていう雑な話を聞いている。

限り無く色物物件だけど、「入山辺地区史跡・案内図」によれば、大和合の御殿との関係性不明なるも、前述の大和合神社の南側には「大和氏館跡」てのが存在するらしい。はっきり言ってこっちの方を調査して欲しかったんだけど、それならばいつの日かおいらがやってやろうじゃないの。但し、10年後位にはなると思う。

屋敷の現況は…一般住宅とその敷地等となっている。「御殿」の地字の西側には「御殿沢」が流れ、南側上段の場所が「御殿入」、信濃のお城の神は、「館跡を思わせるものは見出せないが…」とするが雰囲気だけは十分だと思う。集落の最上段に位置し水場にも事欠かない。

山辺の谷筋は有名な美ヶ原高原の西方入口にも当たる。松本平の東方山岳地帯は古くから「東山」の総称で一括されるが、高原に連なる標高2006.5mの茶臼山なんかもその一山だ。

地球が温暖期にあった縄文時代前期には高原は狩猟の場であり生活圏が及んでいたと推測される。遠い祖先は既に美ヶ原の往来があり、和田(小県郡長和町)周辺から採取した黒曜石を運び出し、それを加工した痕跡が残る場所が該地の大和合だ。基本的に縄文時代中期まで繁栄したのはこれ等山地であり、平地に人の定住が始まり繁栄するのは稲作文化の入った弥生時代を待たなければならない。

今では観光地として人々を魅了する美ヶ原だが、律令制下では武石峠、扉峠〜和田峠、保福寺峠へ通じる茶臼山山麓は交通の要衝だったと推測されている。現代人の感覚では俄かに信じられないかもしれないが、中世には高原とその周辺に幾つかの城砦が築かれている(口コミは気が向いたら。)。軍勢の通過は厳しくとも人々の往来が常態化していた事を意味する。

万延元年(西暦1860年)、加賀藩は江戸への経路として武石峠、もしくは扉峠越えの道筋を調査している。結果は芳しくなかったようだが、最短コースを選び藩財政を圧迫する参勤交代の費用を少しでも抑える事に大藩も腐心した訳だ。両峠に至るまでの経路も北アルプス越え(殆ど佐々成政ですわ…)を余儀無くされる等凄まじいものだけど、近代に入るまで人が山地を往来するのはごく当たり前の話だった。

城館を築くには意味がある。逃げ込み城は別として人の住まう場所、人の往来が無ければ城館は存在しない。皆さんの地域、地方にも中世の古い道筋(近世の街道と混同しないように。)が残る場所が必ず存在する。これ等道筋を辿って城廻りするのも新鮮で面白いかもしれない。特に新城発見の野望を持つ方は是非お試しあれ〜

※写真④は該地から山家城の方向っす。居館地としては相当な高位標高だ。

※作成途中のまま3ヶ月位放置してた口コミ…フォルダから写真を特定するのに難儀した。

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