千鹿頭神社の砦
千鹿頭神社の砦([林城 周辺城郭])
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千鹿頭神社の砦の口コミ情報
2025年11月26日 内記かずりヾ(・ε・。)
さて、色物物件FOREVER…
千鹿頭(ちかとう)神社の砦は林城の西南西約1.4km、薄川南岸(左岸)、標高973.2mの広澤寺山山頂から北西へ伸びる尾根末端部上、標高657.2mの千鹿頭山山頂部を中心に立地したと問題提起された砦です。北麓の林千鹿頭社鳥居からの比高は35m位でしょか。
行き方はGoogleマップに位置登録されているのでダイレクト設定して下さい。登城は前述した、同じく位置登録がある「林千鹿頭社鳥居」からとなり、鳥居の近くには駐車場も付いている。
「信濃の山城と館4、筑摩・松本・塩尻編」に掲載がある。とりま著述を読んでみよう。
…松本市街地の南東部、筑摩山地の北端に当り、平坦地へ岬状に突き出した山尾根の先端部にある山である。北側山下の集落は小笠原氏の本拠地である林集落で、東側500mの至近に林小城があり、ともに林大城の西側を守るのに格好の位置になる。…
…この山についての史料、伝承等は全くない。ただ、この山の立地からみて、小笠原氏の本拠地防衛のためには無視できない所であり、往古には何らかの施設があったものと思われるためにあえて取り上げ問題提起としたい。…
…て信濃のお城の神は仰られている。おいらは信じてる…信者だからね。小笠原氏の本拠地と山尾根との位置関係から問題提起された訳だけど、補足するならば、東方の広澤寺山の山際には、曹洞宗の寺院、龍雲山広沢寺が建っており、同寺は小笠原氏の菩提寺の一つである。
神は、千鹿頭山の山頂部と、その南東側下段の尾根続きに当たる千鹿頭神社の境内等を城域にと想定している。平地へ突き出た小高い山であり山頂からの展望は開け、少なくとも山麓からの形状だけは砦を彷彿とさせるものがある。林城の支砦、狼煙台や物見台が存在したとしても何ら不思議な事ではないように思う。問題となるのは千鹿頭神社の創建年だが詳らかではなく、この点においては一抹の不安が過る。城郭遺構としては、本殿南側山側背後に堀切+竪堀様地形が確認出来るのだが、前述した広沢寺から続く単なる尾根の乗り越しのようにも見て取れる。
ちなみにこの千鹿頭山、過去に十回以上は訪問しているんだけど、まともに探索したのは今回が初めて…小笠原氏系城郭を訪ねた後には此処で遅い昼食を食べるのが慣例となっていた時期がある。東屋に座って思い出されるのはおにぎりとおでんだ。夜景もそれなりに綺麗…
千鹿頭神社の主祭神は千鹿頭神、関東甲信、東北地方の南部以外では馴染みがない神様だけど、諏訪地方の国津神、洩矢神の子、守宅神の子であるとされ、宇良古比売を娶って、諏訪地方を出て宇良古山に移り住んだと云われている(諸伝承あり。)。宇良古山は即ち、該地の千鹿頭山の事だ(西麓は「神田」と呼ばれる地区である。)。千鹿頭神は狩猟の神であり、その名は守宅神が遊猟した際に千頭の鹿を射て得た事に因む。
この松本の千鹿頭神社は少し変わった神社であり、何でもダブル…即ち、鳥居、参道、拝殿、神殿、社務所等が二つずつあり、御柱祭の神事もダブルで行われている。
その理由は、江戸時代に高島藩(筑摩郡内の各所に飛地領の約五千石があった。)と松本藩の境目がこの千鹿頭山の稜線にと定められたから。この所為故に元々は一社だったものが祭祀の都合上、二社に分離された訳だ。
※千鹿頭神信仰は、山岳地帯を東進したように広まった事が特徴であり、狩猟を生業とする山人集団と密接な関わりがあると推測されている。ちなみに長野県には13社、最も多いのは群馬県の20社である。
※曹洞宗の寺院、龍雲山広沢寺〜嘉吉元年(西暦1441年)、信濃守護、小笠原政康が開基となっている(偶然だろうがその死の前年に当たっている。)。小笠原氏の菩提寺である事から明治維新直後の廃仏毀釈を免れ、近年には小笠原氏から住職が出て復興された。現在の住職は旧駒澤大学名誉教授の小笠原隆元さんだ。ちなみに同寺には、禅宗の燈史、「五燈會元」が完全セットで収蔵されている。全世界に二つしかないんだそう。
※話は脱線したけど、訪ねたからにはただじゃ帰らねぃ…
※飛地領の約五千石〜現在もその名を残す五千石街道の名称は、高島藩藩主等の巡見道であった事に由来する。
※写真③には諏訪社と縁の深い神社には付き物の御柱が写っている。地面には建て易いようにコンクリート製の受けが造作されている。
※写真⑦は該地から松本市街地を撮影した物っす。直下の池は千鹿頭池だ。
※写真⑧は該地から撮影した林大城、林小城の立地する山稜っす。









