大井城
大井城([稲村城 周辺城郭])
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大井城の口コミ情報
2023年01月13日 国府左京大夫城介
安房では珍しい台地上に築かれた連郭式の城
【歴史】
築城者、築城年代(戦国期ではあるが)共に不明。
城主として、里見義弘の子・薦野神五郎頼俊の可能性がある。
薦野氏は多々良氏の一族で、薦野時盛の娘が里見義弘の側室となり、その子が頼俊となる。里見家が改易後は、水戸藩に仕えている。一方で、改易時に抵抗して戦死したとも伝わる。
【遺構】
稲村城の東に約2.5kmに位置する台地(比高25m)に連郭式の城郭として築かれている。
三つの郭が連続しており、その間を堀切によって分けている。北郭が最も広く堀切に面する場所に神社が建てられている。中央郭が他の郭と比較すると若干高い位置にあることから、主郭とも考えられるが、物見櫓跡という伝承もある。また、各郭は垂直切岸による整形が行われており、腰曲輪から容易に登れないようになっている。
堀切は3つあり、北郭と中央郭の間は幅広だが浅い。中央郭と南郭の間は土橋が架けられており、両脇は竪堀として落ちている。南郭の南側には、尾根を切断した岩盤堀切がある。
【感想】
安房というより、里見系の城郭では極めて珍しいタイプの城で、低い台地上に築いた連郭式の城郭です。里見系の城郭は山の高低差を利用した縄張りが多いのですが、この大井城はそういった里見系城郭の中ではかなり異質な城となります。縄張り的に珍しいですが、岩盤堀切や垂直切岸などといった個々のパーツは里見系らしさが満載です。
館山城や稲村城を訪れたのであれば、この大井城も是非訪れてみてください。夏場は分かりませんが、冬場であればほぼ藪もなく、良好な状態の遺構を堪能することができます。
登城口はスポットを作成したので参照としてください。登城口から登っていくと墓地がありますが、そのまま突っ切っていけば城域に達します。なお、この登城道は後世のものだと思いますが、岩盤を削った道で房総らしい造りになっています。
【アクセス】
①九重駅から徒歩30分。
②館山駅から「亀田病院」行きに乗り、「九重大井」で降車し、徒歩2分。
【写真】
①遠景
②岩盤堀切
③土橋と堀切
④土橋東側の竪堀
⑤中央郭東下の堀切
⑥北郭中央郭の間の堀切
⑦北郭の土塁と神社
⑧北郭下の垂直切岸