根木田入口脇山砦
根木田入口脇山砦([佐貫城 周辺城郭])
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根木田入口脇山砦の口コミ情報
2024年06月06日 国府左京大夫城介
北条氏が佐貫城攻めのために築いた向城か
【歴史】
天文15年(1546)9月に、北条氏が武田義信(武田全方の子で、元佐貫城主)と共に佐貫城を攻めた際に築いた向城と考えられている。
【遺構】
佐貫城の南約740mに位置する山稜(標高50m/比高30m)に築かれた砦です。
砦は谷戸(勝隆寺)を挟むように、三つの砦から構成されていたが、館山自動車道の建設に伴い、西側の砦Ⅰ、北側の砦Ⅲの遺構はほぼ湮滅している。そのため、東側にある砦Ⅱのみが遺構を残している。
なお、工事に伴い、砦Ⅰと砦Ⅲは発掘調査が行われ、1480~1530年頃の陶器が発掘されたそうです。
砦Ⅰには物見台やその背後に堀切や石積みがあった。発掘調査によると、櫓や陣幕、幟旗を立てた跡(ピット)を検出したそうです。一部破壊を免れた平場が残っており、そこからは佐貫城方面を眺望することができる。
砦Ⅱは遺構が完存しているが、砦Ⅰに比べると手狭なため、平場はそれほど広くはないため、段曲輪や切岸を施すことで守りを固めています。また、北側には谷戸側へ落ちる竪堀らしき遺構もあります。尾根がある方向には必ず堀切を入れています。特に主郭部の西側にある堀切は、虎口みたいな形状をしています。砦Ⅲへ向かう尾根はかなり細いため、砦間の移動には難儀したと思われます。
砦Ⅲは砦Ⅰと砦Ⅱと連接した砦となっており、物見台があり、そこからもピットが検出されている。また、南側の尾根には、大きな堀切が二条あり破壊からは免れたようですが、アクセス方法が不明なため確認していません。
【感想】
佐貫城の向城のようですが、館山自動車道の建設に伴い、遺構の多くが湮滅してしまいました。発掘調査の結果、様々なことが分かったので、壊さずに迂回などしてくれたらいいのになと思いつつ、千葉で仕事をしていた人間としては館山自動車道の便利さには仕方ないのかなとも思っています。
この城へのアクセス(主に砦Ⅱですが)は、花香谷青年館の背後の茂みを突っ込んでいく必要があるので、時期(3月末でギリギリくらいかと)を選ぶかと思われます。また、雨が降った日の翌日はかなりぬかるんでおり、何度も滑ってしまいました。そのため、倒竹に加えてぬかるんだ状態の細尾根を渡ることができませんでした。
そんなこともあり、少し消化不良の状態なので、またいつの日かリベンジを考えていたりもしています。
また、谷戸にあたる部分には勝隆寺があり、そこには江戸時代に佐貫の領主だった内藤家長や松平勝隆、阿部正身らのお墓もあります。
【アクセス】
佐貫町駅から徒歩25分。
佐貫城からは、徒歩7分。
【写真】
①~③は砦Ⅰ、④~⑧は砦Ⅱ
①遠景
②平場
③砦Ⅰから佐貫城を望む
④遠景
⑤竪堀
⑥切岸
⑦主郭部の西側にある堀切
⑧砦Ⅲへ向かう細尾根にある堀切