舎人氏館(推定地)

舎人氏館(推定地)([宮城氏館  周辺城郭])

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舎人氏館(推定地)の口コミ情報

2024年10月24日 マグロ常陸介祐平


先人様が位置登録された舎人氏館の推定地です。舎人氏は、江戸時代に尾張藩の重臣となっており、尾張藩士の系図を纏めた「士林泝回」によると、舎人三河守重経が永禄6年(1563年)北条氏政に攻められ自害、子の重秀は同年に舎人城に住み北条氏に仕え、その子重良が尾張藩祖義直に仕えたとあります。重秀の弟の経長(熊之助?)は、それよりも早く家康の四男忠吉の忍藩時代に仕え、そのまま尾張藩士になっています。忍といえば成田氏の旧領ですが、成田分限帳には「舎人内蔵(100貫)、舎人茂左衛門(15貫)」があり、関係があるのかもしれません。気になる点は、永禄8年に太田氏が宮城氏に舎人郷をあてがっていることです。風土記稿では舎人城主の舎人氏として土佐守と孫四郎を載せ、舎人城跡に住む(江戸時代後期)舎人氏は土佐守の子孫といわれるが、詳しいことは伝わらないとしており、舎人氏の一族がその後も舎人村に住んでいたことがわかります。孫四郎は太田資正(三楽斎)の家臣で、国府台合戦に参戦し、小田原の役では小田原城に籠城したと伝わるようです。

また、織田信長の傅役の平手政秀の母または妻は舎人氏との説があり、平手政秀の養女を妻とする埴原常安(織田家の家臣、小田原の役では清洲城の留守居)の娘は舎人氏(八衛門)に嫁いでいます。早い段階で一族又は別流が尾張近辺にいたのかもしれません。

舎人熊之助が忍で忠吉に仕えたことは、間違いなさそうですが、戦国期まで居住したとされる舎人地区周辺の寺社仏閣の由来などにも舎人氏に関する情報がなく、謎の多い一族です。

舎人氏館の所在地は、風土記稿の書かれた江戸時代後期には、遺構も残っていたようですが、今ではどこにあったのかわからなくなっています。
氷川神社(写真)の他、西門寺付近や舎人ライナー沿いのオリックスレンタカー付近も推定地となっているようです。

舎人氏に関しては、先人様が詳しく口コミを書かれています。

2022年02月23日 山内右兵衛佐伊右衛門俊胤
舎人氏と宮城氏
「舎人」とは律令時代に隆盛した皇族・公家の警備雑用を務める役職である。地方出身者は帰国後に在庁官人や郡司に任じられた事から地名としてその名を遺した地域も散見される。

足立区舎人の由来は諸説ありはっきりしないが、この地に「舎人」を称した豪族がいた事は分かっている。子孫が尾張藩士となっており、江戸中期の『士林泝洄』によれば、舎人氏は天武天皇の第5皇子である舎人親王を家祖とするという。恐らく「舎人」という名から連想されたものであろう。

舎人氏は舎人城を築き代々舎人郷を領していた様で、江戸後期の『藩士名寄』によるとその64代当主が駿河守重貞であったという。舎人氏は宮城氏と同じく岩槻太田氏に仕えており、第二次国府台合戦の際には太田資正に従った。永禄5年(1562)5月14日の太田資正の書状には野本右近と共に「舎人孫四郎」が取次として記載されている。『関東古戦録』では孫四郎が野本与次郎と共に清水又太郎を引き倒して資正に首を捕らせており、舎人氏と野本氏は資正の側近であったとみられる。

『藩士名寄』には重貞の子に隠岐守重長と三河守重経がいたとされており、先の孫四郎は重長の事を指しているという。『士林泝洄』によれば、次男の重経は国府台合戦より前の永禄6年(1563)8月14日に北条氏政に舎人城を落とされ自害したとある。重経の長男右衛門兵衛重秀は父の死後に北条に仕え、次男の源太左衛門経長もまた北条に仕えた。経長は小田原征伐後に松平忠吉に仕え、そのまま尾張藩士となったという。

舎人城陥落後、舎人は葛西城を攻略した本田氏が所望していたものの(『永禄5年8月26日北条家印判状』)、岩槻太田旧臣の所領であった為か、太田氏資が宮城四郎兵衛に与えている。宮城氏所領の中では3番目に貫高の多い土地であり、豊かな土地であった事が窺える。

『新編武蔵風土記稿』には「屋敷跡」の記述があり、「舎人土佐守」という人物の住居跡があったとされている。土佐守は孫四郎の父とされ、系譜上の重貞に当たる人物と考えられる。また尾張藩士とは別家の子孫である百姓が舎人に住んでいたとされる。『戦国足立の三国志』によれば、この「屋敷跡」は舎人氷川神社から毛長川にかけて、もしくは近世の舎人宿(西門寺から日暮里・舎人ライナー沿いにかけて)にあったと考えられている。

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