宝篋山城
宝篋山城([小田城 周辺城郭])
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宝篋山城の口コミ情報
2023年06月18日 国府左京大夫城介
南北朝時代に高師冬が小田城を攻める際に陣取った城
【歴史】
暦応4年(1341)に、高師冬や別府幸実(熊谷市にある別府城主)ら北朝方が、南朝に属していた小田城の小田治久を攻めるために陣取った。
【遺構】
小田城の北東にある宝篋山(標高461m/比高440m、別名:小田山)の山頂付近に築かれた山城です。宝篋印塔がある山頂が主郭で、その北側と南側にかなり広い削平地(曲輪)がある。北曲輪から繋がる北東尾根に堀切が、主郭から南曲輪へ降りる途中には竪堀が、南曲輪の下には長さ100m、幅20mの大堀切が残る。
【感想】
小田城の背後に聳え立つ宝篋山に登る必要があり、久しぶりに一時間以上かけて登る必要があるお城でした。宝篋山自体はトレッキングコースとして整備されているため、歩きやすく分岐点にも案内板があるので迷う心配はありません。登山客もかなり多く、山頂付近にはバイオトイレがあり、ルートによっては所々休憩ポイントがあります。
さて、この城の見所はなんといっても、南曲輪下にある大堀切の一言につきます。南北朝時代に築かれたため、折れといった技巧的なものはありませんが、素晴らしい土木量の堀切で、正に常陸のお城だなと実感することができます。小田城側から登ってくれば、ここを最初に目にするため、これを見たら下山してもいいくらいです(笑) 登山道を整備した際に土塁が壊されてしまったのが唯一残念な点です。
この宝篋山は、水が豊富なのか登山道も所々でぬかるんでおり、山の西側中腹には「宝篋の水」と呼ばれる清水があるなど、水には困りません。また、頂上から小田城は勿論、霞ケ浦、筑波山、常陸南部、下総方面を見渡すことができる好立地です。
【アクセス】
宝篋山への登山コースは複数あり、どのコースも登山時間は90分から120分位が目安となっている。小田城と共に攻めるのであれば、小田城コース(約120分)または極楽寺コース(約105分)となる。車であれば、表筑波スカイラインから行けるようだが、ゲートがあるので実際に行けるかは未確認。
【写真】
①小田城から宝篋山城を望む(右側のアンテナがある場所)
②北東尾根の堀切
③北曲輪
④主郭にある宝篋印塔
⑤藪でわかりずらい竪堀
⑥南曲輪
⑦大堀切