乳井古館
乳井古館([乳井城 周辺城郭])
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乳井古館の口コミ情報
2025年06月16日 国府左京大夫城介
乳井神社の背後に聳える福王寺別当の居城
【歴史】
築城年代は不明だが、福王寺(乳井)玄蕃の居城であった。
福王寺玄蕃は、乳井福王寺(現在の乳井神社)の別当であり、乳井城や乳井古館を中心に武威を振るっており、「沙門大名」とも呼ばれていた。南部氏とも対立していたが、永禄8年(1565)6月5日に、大光寺城主・滝本重行によって暗殺された。
子の乳井建清は若年のため、敵討ちを控えていたが、滝本重行によって高畑城を築かれるなど、劣勢に追い込まれていた。津軽為信が南部氏から独立すると、乳井建清は津軽為信に臣従し、津軽平定に貢献した。
天正7年(1579)に起きた六羽川合戦では、比山勢に攻められ、乳井建清が不在のため、乳井城、乳井茶臼館と共に、落城している。(六羽川合戦について、乳井茶臼館の口コミを参照してください)
別名:ミズノエ館
【遺構】
乳井城の南65omに位置し、乳井神社の背後にある丘陵(標高110m/比高55m)に築かれた。
主郭、二ノ郭、三ノ郭、長郭の四つの郭から構成されている。
主郭は、壬公園(愛宕神社)にあたり、北側の展望台がある部分は若干高くなっており、櫓台の役割をしていたと考えられる。二ノ郭は主郭の南側に、三ノ郭は主郭の東側に位置しており、それぞれ農地となっているため、遺構はほとんど確認できなかった。しかし、主郭と二ノ郭の間には堀切が残っている。長郭は主郭の南西に位置し、こちらも一部農地となっているが、先端には乳井城主の墓塔と伝わる乳井神社の五輪塔(青森県重宝)がある。また、各郭には農地となっているが、帯郭が幾重にも重なっている。
【感想】
乳井神社の背後にあるお城ですが、城の造りとしては乳井茶臼館より古い城のように見受けられました。農地として利用され遺構が破壊された可能性もありますが、自然地形を活かしただけの城でした。基本的に、乳井神社に何かあったときに逃げ込めるようにしたものだと思われます。
訪れた時は雨が降っており、眺望はいまいちでしたが、晴れていれば津軽平野を一望でき、岩木山も望むことが出来る場所です。また、主郭には桜の木が沢山あるので、満開の桜と岩木山を見ることが出来るようです。
【アクセス】
弘南鉄道大鰐線石川プール駅から、徒歩30分。
乳井城のリア攻め地点から、徒歩約12分。
【写真】
①主郭
②主郭下の帯郭
③説明板
④主郭と二ノ郭の間にある堀切
⑤二ノ郭
⑥長郭にある五輪塔(木造物の中にある)
⑦遠景(乳井茶臼館から望む)
⑧麓にある乳井神社