二荒山神社
二荒山神社([宇都宮城 寺社・史跡])
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二荒山神社の口コミ情報
2024年10月04日 山下相模守正成
宰鳥(蕪村)句碑の記
俳聖与謝野蕪村は、寛保三(一七四三)年歳末に宇都宮の俳人佐藤露鳩の許を訪れて当市に滞在、翌年正月に蕪村最初の『歳旦帖』を編集発行した。
それは表紙に、この碑の上部にあるように円の中に次の文字をあしらった、ユニークなものであった。
「寛保四甲子 歳旦歳暮吟 追加春興句
野州宇都宮 渓霜蕪村輯」
その中で蕪村は、それまで使っていた「宰鳥」の号で、「いぶき山の御燈に古年の光をのこし、かも川の水音にやや春を告げたり」と前書して、この碑にある
鶏は羽に はつねをうつの 宮柱 宰鳥
の句を詠んだ。
これは当社宇都宮二荒山神社の社頭で新年の夜明けを迎えた鶏が、勢いよく羽ばたいている姿に寄せて、この地で俳諧師としての第一声をあげた喜びを詠んでいる。また表現も「羽をうつ」と「宇都宮」、「宮」と「宮柱」とを掛けた華麗な句である。
こうした事実が、今まであまり知られていなかったのを極めて残念に思い、このたび多くの方々のご支援をいただいて、その事蹟を顕彰するためにここに記念の句碑を建立した。
なお、この『歳旦帖』で初めて「蕪村」の号を用いている。
古庭に 鶯啼きぬ 日もすがら 蕪村
の句碑が、仲町の生福寺境内にある。姉妹句碑として愛されることを念願する次第である。
平成十一年十一月
蕪村顕彰会
宇都宮ニ荒山神社
成島行雄撰文