下関前田台場(しものせきまえだだいば)

城郭基本情報

名称(よみ) 下関前田台場(しものせきまえだだいば)
通称・別名 長州藩下関前田台場、前田御茶屋台場
所在地 山口県下関市前田
天気情報

05/03(金) 降水確率:10%
22℃[+2]14℃[+1] 詳細

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問い合わせ 山口県教育庁社会教育・文化財課[電話
分類・構造 台場
天守構造 なし
築城主 長州藩
築城年 文久3年(1863)
主な城主 長州藩
遺構 (発掘調査:削平地、土塁)
指定文化財 国史跡(長州藩下関前田台場跡)
再建建造物 石碑、説明板
下関前田台場(しものせきまえだだいば)は、山口県下関市前田にある台場。

歴史 

幕末の攘夷戦争において、長州藩が築造した台場だ。長州藩は外敵に備えるため、響灘沿岸部と長府から彦島にかけての海岸付近に数十か所の台場を設置。下関前田台場は、そのうちのひとつだった。関門海峡の東入り口付近にある茶臼山の西南麓、標高10~16mの高台に設けられ、西の関門海峡から東の周防灘までを一望できる。

「低台場」と「高台場」の2つで構成される。攘夷を唱えた長州藩は、文久3年(1863)5月に関門海峡を通過するアメリカ・フランス・オランダの商船や軍艦を3度に渡り砲撃。低台場は、この砲撃に備えて築かれていた。しかし同年6月にフランス軍に破壊され上陸を許したため、元治元年(1864)に東面の防備を兼ねて短期間で高台場が増設された。

元治元年8月5日からの四国連合艦隊による下関遠征で、下関前田台場は集中的に攻撃を受け、連合艦隊に占拠された。停戦状態を経て、同14日に講和が成立。下関前田台場を含む各台場は連合艦隊に破壊され、設置されていた大砲は接収された。大砲の一部は各国に遺され、このうち一門がフランス・パリのアンヴァリッド軍事博物館から里帰りして下関市立歴史博物館に展示されている。

遺構 

発掘調査により、低台場からは大砲設置のために整地された幅6~7mの平坦面と、その背後に存在した作業場と思われる延長35m以上の平坦面が確認されている。現在は失われているが、前面には土塁があったようだ。背後の平坦面に流入した雨水を外部へ排水するためのものと思われる排水溝も見つかっている。

イギリス軍が占拠時に作成した実測図によると、規模は幅約80m、奥行き約30mで、弾薬庫を挟んで西に5門、東に1門の大砲が設置され、弾薬庫の西南に上陸用の坂道がある。

戦闘に使用された銃弾のほか、連合艦隊に撃ち込まれたと考えられる砲弾も着弾状態で出土している。陸戦歩兵用の新式ライフル銃であるミニエー銃の銃弾や火縄銃の弾も出土した。

高台場には土塁が残存しており、その規模は、南側が約30cm、西側が約20m、基底幅は3m以上、最大高は115cm。西側の土塁は焼土層に覆われ、その上に敷石が直線的に置かれ、板塀が設けられていたと推定される。イギリス軍の実測図には幅約50m、奥行き約30mと記されている。

この場所からは古瓦が大量に出土しており、前田茶臼山遺跡として古代官衙跡の可能性が予測されている。また、元禄年間には長州藩3代藩主の毛利綱元が藩主の別邸である御茶屋を建造しており、国道9号に面した階段を登ったところに「前田御茶屋䑓場址」の標柱が建てられている。廃藩後は旧長州藩家老の三吉家が家宅を構えた。

交通 

・中国自動車道・関門自動車道下関ICから車で約8分

参考文献 

・『史跡長州藩下関前田台場跡保存管理計画』下関市教育委員会、2015年。
・『前田茶臼山遺跡(山口県埋蔵文化財調査報告 第187集)』、山口県教育委員会、2003年。
・山口県埋蔵文化財センター ホームページ、リーフレット。

文:萩原さちこ



城郭口コミ


2023/02/25 23:38【✾】源九郎豊前守牛若丸
下関前田台場:国指定史跡に登録されています。専用の駐車場は有りませんが、スペースはありました。また壇之浦台場のように長州砲などのレプリカはありませんが、台場としての遺構は残っているので、こちらの方が個人的には好きです。説明板によると、連合艦隊に徹底的に落とされたのがきっかけで、長州藩が倒幕へと方針転換した貴重な遺構のようです。私が訪れた時には、何やら発掘途中のような跡がありましたので、どんな発見があるか楽しみです。城郭として観察した限り、守るためというより寧ろ攻撃を重視した造りのように感じました。それで落城もさもありなんという感じでした。前田台場への入口に看板がありましたが、小さめなので見落としやすいかもし...

2023/02/25 12:47【✾】源九郎豊前守牛若丸
壇ノ浦古戦場跡:源平合戦の代表的な古戦場跡です。駐車場はありませんので、関門トンネル人道入口の駐車場に停めたり、バス停があるのでバスを利用して見学する事が出来ます。今でも大小様々な多くの船が関門海峡を行き来しています。間近で流れの速い色んな海流を観ることが出来ます。きっと壇ノ浦の合戦の頃も同じ海流だったのでないかと思います。ここで8歳という若さで安徳天皇が入水したことを思うと、いかに戦争が悲惨さかという事が改めて分かります。ちなみにここは二位尼の辞世の句にちなんで、みもすそ川公園として整備されています。

城郭攻略情報


2023/07/27 16:04
とら中務大輔
山陽本線 新下関駅で門司城と同時攻略です。
2023/06/03 01:17
あざらし肥前守
公共交通:一例高速バス乗車中、中国道下関IC。(❜18・1攻略)
2023/05/12 23:39
城社まにゃ越中守
壇ノ浦 赤間神社駐車場で攻略
2022/11/20 12:55
デスラー左大臣総統
門司港駅で攻略出来ちゃいました
2022/08/27 12:34
Teioh佐渡守Go彦根
新幹線のぞみ車内から門司城と一緒に攻略できました。

城主争い

来月度の城主争い戦況

 1位 コッカ~肥後守さん 19

 2位 すぺらんかー征夷大将軍さん 16

 3位 うーくん内蔵助さん 11

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